「親心、子心。」ジュリエッタ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
親心、子心。
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久しぶりに観たアルモドバルの新作は、長らく観てきた者には
確かに物足りなさが残るけれど母親の情念は深く描かれている。
親の心子知らず。だし、子の心親知らず。なのだ、しょせんは。
それは本作のヒロイン、ジュリエッタのせいではなく自然現象
ともいえる行い(自立を含めて)に近いような気がする。反抗心
を抱いた子供は親の感知する行動などとらない。理解しがたい
うえに突拍子もない選択をする。あー思えば自分だってそうだ
ったじゃないか。と振り返る日々がジュリエッタを成長させる。
若くして結婚、伴侶を失ったうえ、深い悲しみから精神を病み
いまやっと理解できるパートナーと巡り逢い幸せをつかもうと
しているジュリエッタだが、やはり娘のことが気がかりで仕方
ないのも親の役目。逢いたい、抱きしめたい、話を聞きたいと
思うのは当然。そして自身のために家を出たのであろう娘も今
母となってその深い愛を知る。いい親子で普通じゃんと思うが、
困難に見舞われている状態では自分の居場所が見えないものだ。
ジュリエッタもアンティアも頑張ったのだから幸せになってよ。
(常連ロッシ・デ・パルマの家政婦役が最高。やや老けメイク?)
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