「残念なのはタイトルだけ」暗殺(2015) クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
残念なのはタイトルだけ
近代史の内容だろうとは思って観たが、朝鮮半島の一番混沌としていた最中の話で、非常に好みの話でした。観ながら、この頃満州では、ソンガンホやイビョンホンが宝探ししてるんだろうなー(映画「グッド・バッド・ウィアード」より)と思いを馳せてしまうくらい楽しめた。
キャストも豪華で、監督が「10人の泥棒たち」だからそこでのキャストも多く、その他もハジョンウや、「容疑者X」の刑事役の人とか、大体が他で観た事ある役者ばかりで、それだけでテンションが上がる。しかし、日本人役は日本の役者を立てて欲しかったなあ。それか、物凄く日本語上手な韓国俳優。話の中では、ハジョンウの日本語が一番上手。日本兵役でヤンイクチュン(「かぞくのくに」で井浦新と共演)とか欲しい所。
そんな粗は物ともせず、ストーリーも中々の大河ドラマで、チョンジヒョンの運命がこんなに数奇なものだとは思わず、途中で出てくるある女性はただの咬ませ犬かと思ったら、いやいやまさかの冒頭シーンのその後だと分かりどんどん面白くなっていく。
歴史的にも激動の時代で、自動車が街を走り回るようになり、ガソリンスタンドも常設される様になる。併合された朝鮮半島の京城(現ソウル)にもそれはあり、しかも嘗てはその京城に三越百貨店まであったらしい。満州にも日本の百貨店はあったらしいので、当時の日本企業の勢いたるや現代の比ではないかもしれない。
残念なのはタイトル。お得意の「○○の××」とかにした方がもっと初見の方が観てくれそうな気もするし、韓国映画好きにとってはその方がタイトルだけでテンション上がる。
ちょっとネタバラシとして、イジョンジェは相変わらずポーカーフェイスだからあーゆー役が非常にハマる。