「いかつい邦題ですが実は緩急のバランスが絶妙なエンタメノワール活劇」暗殺(2015) よねさんの映画レビュー(感想・評価)
いかつい邦題ですが実は緩急のバランスが絶妙なエンタメノワール活劇
日本統治下の韓国。韓国臨時政府は日本軍の要人と親日派のカン・イングクを暗殺すべく、上官を射殺した罪で拘束された狙撃手アン・オギュン他ならず者3人を召集する。彼らを召集した警務隊長ヨムは実は日本軍の密偵で、暗殺計画を日本軍に密告しつつ殺し屋"ハワイ・ピストル"に3人の殺害を依頼する。協力者達の庇護のもとで淡々と暗殺の準備を進める3人だったが、運命の歯車が狂い始め5分で任務完了するはずの暗殺計画が思いもよらぬ結末を迎える。
日本軍の残虐非道ぶりをつぶさに見せつつも、コメディリリーフを随所に配して軽快なテンポも維持するという絶妙なバランスが貫かれた陰影の深いノワール活劇。日本語のイントネーションに時折違和感もありましたが、『レイダース 失われた聖櫃(アーク)』や『スカー・フェイス』、『アンタッチャブル』といった娯楽作へのオマージュが滲んだ豪華なセット撮影と巧みな演出技法、何よりエモーショナルな俳優陣の演技に韓流映画の懐の深さを感じました。チョン・ジヒョンの凛とした美しさと芸術的なツンデレが網膜に焼きつくこと必至です。
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