「魔女の成り立ちを現代的に解釈した傑作ホラー」ウィッチ pippo9さんの映画レビュー(感想・評価)
魔女の成り立ちを現代的に解釈した傑作ホラー
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「魔女」と聞くとファンタジーに聞こえるかもしれませんが、今作で現実的に起こってしまった事態は「厳格な家庭の中で、娘が性的に成長してしまった話」であって、この手のストーリーは手を替え品を替え様々な映画の中で語られてきたため(「尼僧ヨアンナ」、「エクソシスト」、「ブラックスワン」など)目新しいものではないものの、キリスト教的なモチーフをストーリーに取り込みながらホラー映画としても良く出来ている点で素晴らしかったです。
それぞれのモチーフの意味は、
山羊=悪魔、男性性
うさぎ=性愛
りんご=原罪
割れた卵から血が…=トマシンの初潮
犬=忠誠心、貞節
要するに、トマシンが身体的に大人になることで、これまで均衡を保っていた家庭環境が崩れてしまう話で、その成長を理解出来ない人からしたら「彼女は魔女になってしまった」と言うしか出来なかったわけですね。
ちなみに、幼い子どもが誘拐されるのは、サバトという悪魔崇拝の集会の儀式(ラストのアレ)で子どもの肉体が必要になるから、と魔女裁判に記録されているそうです…。
主人公の女の子のトマシン(Thomasin)の名前の中に既に罪(sin)が内包されているあたりが、生まれながらにして魔女になることを運命付けられている感じを出していて良かったです。
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