「俺様アメリカ様・・・という映画」エンド・オブ・キングダム よしさんの映画レビュー(感想・評価)
俺様アメリカ様・・・という映画
英首相の死去に伴い集まった西側首脳を狙ったテロに、米大統領を守りながらも挑むシークレットサービスの物語。
ホワイトハウスダウンの続編ですね。「ホワイトハウスダウン」のレビューを書いた際に、「粗を探してはいけません」と書きましたが、この作品もそんな感じのアクション映画です。
アクションは迫力十分。ロンドンの爆破シーンはCGとは思えませんし、大統領救出の為の銃撃戦は、手カメラの活用で臨場感たっぷりです。
ただ、冒頭で「粗を探してはいけません」と書きましたが、この作品はその「粗」に不愉快さを感じてしまいます。
例えば、イギリスの警官が大挙してテロ側について乱射する設定。テロリストが警官に成りすますシチュエーションが映されていれば別ですが、これではイギリス警察は裏切り者ばかりに見えてしまいます。
例えば、MI-5長官が裏切者の設定。上記警官を含めて、他国であるイギリスをバカにし過ぎです。
例えば、アメリカ副大統領が、当たり前のようにイギリス警察に指示をしているシーン。思わず「何様」と言葉が出てきてしまいます。
例えば、テロ組織の現場リーダーと乱闘を繰り広げながら、主人公が「アメリカは負けない!!」と叫ぶプロパガンダには、心底興ざめです。
極めつけは、冒頭シーン。
極悪なテロリスト暗殺の為とはいえ、子供を含めた民間人が集う結婚式を爆破するというトンでも設定が許せません。しかも、それはアメリカ決定ではなく、G8承認済みという責任回避まで付けられたら、不愉快を通りこして、憤りすら感じます。
そりゃ復讐されて当たり前です。
よって、私的評価は極めて低い、とても残念な映画という感想です。