「救済のあるディストピア密室劇」AIR エアー REXさんの映画レビュー(感想・評価)
救済のあるディストピア密室劇
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どちらかというと、ノーマン・リーダスよりも、サイモン・フンスーの方が主人公。
リーダスがカプセルのなかで死にかけた「空白」の時間も、フンスーが幻覚をしょっちゅう見ていると観客は知っているので、それほどサスペンスは掻き立てられない。
二人で生き延びることを最後まで諦めないか、カプセルをめぐり殺し合うか。 相棒を信じきれなくなったリーダーズが結局はフンスーを襲うが、やはり最後の最後で譲る展開になってよかった。元々憎しみあっていないのだから。
外部に謎の生物がいたりとか、コンピューターの反乱とか、小賢しいことを一切しなかったことが潔く、二人しか出てこないことが功を奏して、いろんな意味で本当に寂しさを感じた。
たった二人なのにそのコンピューターに管理されている状況から抜け出せない「管理社会」であることも皮肉。結局はフンスーが救われる顛末でよかったと思う。
さて、あれから何年たったのか? ラストの様子から推測してみた。半年で二時間しか起きない⇒彼が髭まみれで登場したことから、「解凍され」起きている時間で一年経過したと仮定すると…。
●フンスー起床時間が四時間=実世界一年だから、フンスー起床時間が24時間=実世界…2190年! 合ってる?
汚染がなくなり、科学者たちが目覚めた世界はどうなっているのか…自分なりのシナリオを想像するのも一興。
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