「活劇」グレート・ウォリアーズ 欲望の剣 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0活劇

2020年4月12日
iPhoneアプリから投稿

それだけで十分に愉しめる内容。戦車と攻城戦のシーンにはその構図が楽しいし、大セットをぶっ壊す迫力に圧倒させられる。
それでありながらフックが効いたシーンが多数。腐乱死体がぶら下がる木の下で永遠の愛を誓う儀式を行うという異様なシーン。一体何を見せられているのか?と自問してしまう。恥辱を受けざるを得ない中でも自分のポジションを探りつづけるアグネス。男どもの立場の激しく切り替わるドラマの中で彼女がどのように乗り切っていくかがスリル要素として用意されており、そこにドギマギする。単に世渡りというだけではない情を絡めた彼女の複雑な振る舞い、同監督の後年の作品と共通する。
アグネスによって地位を追われたマーティンの情婦スーザンの哀しき話でもある。それに堪える姿をカメラはとらえている。ゲイカップルや隊長とスナイパー修道女なども、そこにフォーカスすれば、それだけで1本になりそうな豊富な設定を放り込んでくる。
当然のことながらルドガーハウザーの圧倒的な存在感なくして成立しえない映画でもある。それが中世感なのか、脱ぎっぷりの良さも見所。影画を再利用して、ジェニファーの肢体と乳首を浮かび上がらせる悪趣味演出にニヤリ。

Kj