「悪戯でパトカーを走らせたら、悪道一直線!」COP CAR コップ・カー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
悪戯でパトカーを走らせたら、悪道一直線!
やんちゃ盛りの悪ガキだったら、放置されたパトカーを見つけたら無視は出来ないだろう。
中を覗き込んだり。鍵が空いていたら、乗り込んで運転のフリもするだろう。
もし、鍵を見つけたら…? おイタはそこまでにすべきだった。
得意気にパトカーを走らせる。運転を習ったのは、マリオカート!
幸いだだっ広い平野で人もおらず、事故も起こさず。
こうなってくると停められず、公道へ。
事故の心配やそもそも無免許という事も勿論だが、一番の問題は、このパトカーの持ち主。
悪徳保安官だった…!
パトカーを盗まれたのだから焦るのは当然。
ましてや“犯人”が子供だと知ったら、大恥&皆の笑い者。
しかしこの保安官ミッチは、異様に必死。
あの手この手を画策して執拗に追う。
他のパトカーの無線を別チャンネルに切り替え、自分のパトカーに呼び掛ける。
遂に無線が繋がり、少年たちに返すよう説得。
その必死さは何処か狂気的。
そんなに自分のパトカーが大事なのか…?
それにはある理由が…。
トランクから物音が。
開けてみると、何と! 重傷の男が。
保安官に捕まった犯罪者…?
にしては、酷い。
それとも、保安官が悪い人…?
男に懇願されて猿ぐつわや手の縄をほどいたら、逆に人質に。
保安官もこの男も悪い人。両者の間に起きた何らかの揉め事に巻き込まれてしまった。
悪戯でパトカーを盗んだ事で…。
合流地点に向かう保安官。やって来た。
離れた所から銃で狙う男。
少年たちの命運は…?
気の毒なのは、パトカーで公道を走る少年たちを目撃し、知らせた中年女性。善意が仇となって、銃弾の餌食に…。
ほんの出来心の悪戯から、ドンパチの銃撃戦。チェイスも。
スリリングな作品だが、ブラック・ユーモアも加味。
保安官役ケヴィン・ベーコンの怪演。
MCU版『スパイダーマン』でヒットメーカーとなったジョン・ワッツ。
初期は『クラウン』や本作で低予算ながら斬新なホラーやスリラーで才気を発揮。
ここいらでまた原点回帰作を見たい。