劇場公開日 2017年3月25日

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「怪獣映画の二つの顔」キングコング 髑髏島の巨神 ko_itiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5怪獣映画の二つの顔

2017年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

知的

「お前らこんな怪獣映画を観たかったんだろ!」
「はい、そうです。ありがとうございます!!」

としかいえない躊躇無しのてんこ盛り。まさに映画の満漢全席。

ロバーツ監督の「お前はどれだけ好きなんだよ!」と言わんばかりの『地獄の黙示録』の過剰なまでのこだわりと『ディープ・ブルー』再現か!とまで思わせるサミュエル・L・ジャクソンの演技も相まって観てい無いと損。まで断言できる怪獣映画だ。

そしてこれだけてんこ盛りなのに心地よい気持ちになるのは男の子が怪獣映画を楽しむふたつの視点をキッチリと押さえているから。

それは「怪獣となって暴れたい、他の怪獣と戦いたい」と「巨大な怪獣を小さな人間が倒したい」のふたつだ。どちらも男の子が怪獣映画を楽しむ大事な要素だ。

普通ならこのバランスはうまくいかないが、この映画ではそのふたつが見事にバランスよく入っている。「怪獣となって暴れたい」の視点はコンラッドの方であり、「人間が倒したい」の視点はパッカードの方になる。どちらかに感情移入しても楽しめるつくりになっている。もちろん両方でも!

それが大の大人を五歳児までに退行させる傑作になった!!

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ko_iti