劇場公開日 2016年9月24日

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歌声にのった少年のレビュー・感想・評価

全27件中、21~27件目を表示

4.5祖国とはなんなのか

2016年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

「祖国」という言葉を世界からなくした方がいいと主張すれば、世界中から反発を食らうだろう。しかしいまやグローバル化の時代である。ヒトもモノも自由に行き来する。映画をはじめとして文化も自由に国家間を行き来し、我々は他国の文化を存分に享受している。
政治家の二重国籍を追求するような幼稚な精神性の国もあるが、世界は、自国も他国も公平に均等に尊重する時代になりつつある。外国を居住の拠点として世界中で活躍している人も多い。彼らにも祖国はあるが、祖国に拘泥する生き方はしていない。どこに生まれたかよりも、現在の自分の存在そのものを優先しているからだ。

祖国という言葉は、故郷という言葉に似ているが、ひとりの人間の故郷が他の人間の故郷に対立しないのに対して、ひとりの祖国は他の人間の祖国に対立する意味合いがある。つまり、故郷同士が戦争をすることはありえないが、祖国同士は戦争をすることがあるのだ。
それは故郷という概念が人それぞれの記憶の中に存在するものであることに由来する。同じ地域の出身者でも、時代が違えば故郷は異なる。山が削られ海が埋め立てられて、工場やらビルやらが軒並み建ってしまったら、その前と後では同じ故郷とは言えないのだ。故郷という概念はどこまでも個人に帰属する。
対して祖国は、厳然として存在する共同体であり、帰属意識も高い。しかも排他的である。祖国の対義語は異国であり、すなわち敵国だ。必然的に同調圧力も高くなり、国民の精神性が国に依存することになる。近代の戦争は、指導者が祖国という概念にまつわる精神性を利用して、自国民を戦場に送り込んだのだ。
国家という共同幻想を相対化し「祖国」の呪縛から精神を解放する時代にならない限り、世界から戦争が終わることはない。国家と故郷は異なるのだということを理解しなければならない。

この映画の主な舞台はパレスチナであり、とりわけガザ地区だ。度重なる戦争の歪みを未だに背負い続けている地域である。そして祖国同士の争いを現実の被害として被っているのがパレスチナの難民だ。主人公ムハンマドが運転するタクシーの窓から映し出される破壊された街の様子が生々しい。片脚あるいは両脚を失った人が街のいたるところに何人もいる。そんな難民にも日常生活があり、束の間の平穏もある。しかし子供たちはガザに未来がないことを知っている。
映画は、歌の才能があるムハンマドがその才能を生かしてガザを抜け出す物語だが、インタビューを受けたムハンマドが「祖国」という言葉を万感の思いを込めて言うことに、世界の問題の深刻さがある。この映画は、自由を人間性を求める一方で、祖国の呪縛から逃れられない人間の張り裂けそうな悲痛の思いを比喩的に表現している。安易なサクセスストーリーとして受け取ってはいけない。

世界中の人が観るべき作品である。

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耶馬英彦

4.5感動と希望を与える映画でした。

2016年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

難しい

映画の舞台は長きにわたりイスラエルの弾圧により、紛争下にあるパレスチナのガザ地区。
人々の暮らしは厳しく将来の希望を持つには難しい環境です。
そんな中で、「スターになって世界を変える」として、
姉との約束を果たすために、厳しい状況を乗り越え、
諦めずにカザの壁を超え、エジプトへと向かい、
歌い続ける主人公の話に感動をしました。
今もなお、厳しい生活を続けるガザの人たちには希望の映画になったと思います。
「パレスチナ」の映画ということで、関心は少ないのかもしれませんが、日本だけでなく世界中の人に希望を与えると思われる
お勧めの作品です。

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とおる

2.5ウェルメイドな仕上がり

2016年9月25日
Androidアプリから投稿

 監督の過去作、特に『パラダイス・ナウ』に比べると、実際の成功譚を材に採った作品とはいえ、ちょっと手堅く作り過ぎではと思わないでもない。

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花火

1.5中盤以降のテンポが悪い

2016年9月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

幸せ

萌える

「ウィ・アー・ザ・ベスト」や「シング・ストリート」など少年少女のバンド音楽モノが傑作で監督の「オマールの壁」が良かったから本作には期待がハンパなく実話だし。

序盤の楽器を手にする為の試行錯誤や四人ともキャラが良く特にお姉ちゃんが可愛くて存在感も素晴らしく主人公の弟より魅力タップリ。

少年のまま姉を想いスターになるかと思いきや大人になるからビックリした。

ラストも「スラムドッグ$ミリオネア」な雰囲気で実際の映像が流れ呆気に取られた!?

お姉ちゃんがあぁなってから物語のテンポも悪くて既に興味の持続力が激減。

子供の頃に描かない社会情勢などを大人になり急に描写して関係性を無理矢理繋いでいる感は否めない。

どのタイミングで歌手に再挑戦したいと気持ちが動いたのかが解りづらい。

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万年 東一

3.0優勝

2016年9月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

のシーンは良かったです。

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かん

4.0戦争反対

2016年9月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

中東の不安定な情勢がもたらす不幸を乗り越えて自分と亡き姉の夢を実現させた実話。感動しました。
平和の大切さを再認識できる秀作でした。
是非映画館で。

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タイガー力石

3.5ガザに生まれ育ってしまっただけなのに…。

2016年9月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

エジプトと隣接しついるのにこんなにも生活の状況が過酷なんて…。紛争真っ只中のガザでは夢も希望も持てない。
もっともっと過酷な状況だったと思うけど描写は比較的あっさりな描き方。描き方が深くないからどっぷり作品にのめり込むことは出来ないけど生きる時間を無駄にはしていけないな、ということをあらためて痛感。
生き抜く事って難しい…

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peanuts