あなたの旅立ち、綴りますのレビュー・感想・評価
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求めていたものとちがった。 孤独に追いやられたおばあさんが、過去の...
求めていたものとちがった。
孤独に追いやられたおばあさんが、過去の問題と向き合い解決していく話かと思いきや、新しくできた友人(訃報記者と孤児)とはしゃいだり旅行したり踊ったりしてるうちに、何となく楽しくなってきて、そのまま命を終える話。
結局最後までわがまま放題なおばあさんに、何やら意味深なアドバイスされても、私には響かなかった。「自分はいい母親だった」っていう毒親発言にドン引き。
ハリエット、アン、ブレンダ、それぞれ登場した時はキャラ立っていて魅力的だったのに、各々が抱える問題や悲しみがよくわからず、衝突や和解からの友情を結ぶプロセスが「なんとなく」に感じられて面白くない。
案の定、「良い訃報記事を書いてもらう」という目標に込められた「自業自得で追いやられた孤独からの解放、赦し」が、ちゃんと達成されないままなんとなく終わってしまい、肩透かし。
役者さんたちが最後まで作品に没頭されているように見受けられ、乗れる人には乗れる話なんだろうなぁ、と思った。
私は途中で降りました。残念な気持ち。
シャーリー・マクレーンの存在感
やはり、シャーリー・マクレーンは凄い女優だ。本作は、彼女の円熟味のある存在感、佇まい、演技力が際立っている作品である。
本作の主人公は、引退はしたものの、悠々自適な生活をしている老女・ハリエット(シャーリー・マクレーン)。彼女は、老後の孤独、不安、から満たされない日々を送っていた。彼女は、死ぬ前に訃報を書いておくことを思い立ち、新聞社の訃報担当である若い女性記者アン(アマンダ・セイフライド)に依頼する。しかし、出来上がった訃報はハリエットを落胆させるものだった。そのことを切欠にして、ハリエットは、自分自身を見つけ直していく・・・。
ハリエットは、表面的には、憎々しい、毒舌ばかりの、嫌われ人間である。しかし、ハリエットを演じるシャーリー・マクレーンが、憂いを秘めた表情で、ハリエットが、ただそれだけの人間ではないことを巧みに表現している。彼女が波乱の人生を歩んできたことが垣間見える。そういう意味では、彼女の破天荒な行動は、人生を変えるというよりは、自分探し、やり残したことをやり切る、といった方が良いだろう。行動をしていくうちに、彼女の表情から憂いは消え、優しい眼差しになっていく。自分を取り戻していく。彼女の心の鎧が取り除かれていく。
性格も年齢も違うアンの関係は、当初は険悪だったが、様々な出来事を経験しながら徐々に深まっていく。お互いに触発されて、彼女達は自分を見つめ直していく。二人の丁々発止の会話が小気味よい。言いたい放題に聞こえるハリエットの台詞の中に、人生訓が込められていて、心洗われる。
本作はシャーリー・マクレーン演じる、嫌われ老女の終活を通して、人生の意味を問い掛ける良作である。
名セリフが多過ぎて……。
ストーリーは、映画サイトの「あらすじ欄」に記されているとおりで、それ以上でもそれ以下でもありません。
女性が男性世界の中で飛び抜けた成功をおさめるために必要とされた、ある意味では歪みきった性格(キャラクター)もしくは人格障害を、81歳の老人が、どのように前向きに改善できるのか、という点がドラマです。
大金持ちであることがストーリーの大前提ですから、一般の人にはむづかしいこともいっぱいありますが、なにより「名言集」として優れていると思いました。
この言葉も、あの言葉も、使えそうだな。
残念ながら映画中にメモを取るわけにも行きませんので、名言が多過ぎて、すっかり忘れてしまいましたが、ま、そういう映画だということで、楽しんでみてはいかがでしょうか。
妥協とは二人で不幸になること?
自分の訃報記事(obituary)を用意しておこうと決意した、裕福だが孤独な老人ハリエット・ローラ。地元新聞社の訃報記事担当アン・シャーマンを見つけ、彼女に依頼するのだが、ハリエットのことを良く言う人はいなかった・・・
かなりユニークな設定。遺言だとか、葬儀を生前に企画したりする人はいるけど、訃報記事を準備する人はなかなかいない。老人のわがままに付き合わされた形となったアンだったが、とにかく家族に愛されていたこと、同僚に尊敬されていたこと、有色人種・障碍者の人生を変えるようなこと、4つ目にワイルド・カードという、項目を達成させることに努めることに。
このワイルド・カードというのがかなり肝となっていた。まさかかつての趣味であるロックを中心とした音楽をネタにDJを始めるなんて・・・驚き桃の木である。選曲については、ノリのいい爽やかなロックといった雰囲気なのだが、知らない曲ばかり!エンドクレジットで確認するも、知っていたバンドはキンクスのみ。これがDJとしての役目だったのだなぁ~ということと、良い一日じゃなく意味ある一日を過ごすことなど、人生経験が豊富なお言葉を拝聴いたしました。
施設にいた少女ブレンダも連れて、娘のもとへと旅する3人。この辺りからはアメリカ映画らしい展開でしたが、アンも色々と教わり、人生は始まったばかりという言葉に温かさを感じました。
DJ
シャーリー・マクレーンのDJ姿と選曲が凄く良くて、それだけでも得した気分です。人は必ず死に肉体は無くなりますが、次世代に言葉を残せます。私が生きる希望を映画や文学、絵に見いだせるのは、過去に生きた数えきれない先人達の言葉や感情が伝わってくるから。ハリエットがアンやブレンダに遺したものと同じものを私も先人達から受け取っているのだと思うと、とても愛しい気持ちになりました。
珠玉のハートフルストーリー
人生で「遅すぎることは何もない」ことを気づかされた珠玉のハートフルストーリー。やりたいことをやって生きてきて、最期もアンとブレンダという、娘と孫のような親友を得たハリエットは本当にハッピーな人生を生き抜いたと思う。さらにハリエットに感化されたアンとブレンダは、勇気と希望を持って、新たな一歩を踏み出す。シャーリー、アマンダ、アンジュエル、3人とも絶妙なキャスティング。惜しむらくは邦題、The Last Wordの方がずっと良いのでは。
【幾つになってもやりたい事をどんどん実践する生き方を貫く頑固な女性をシャーリー・マクレーンが魅力的に演じる爽やかな作品】
シャーリー・マクレーン演じるハリエットお婆さん(80代!)の偏屈振りとエネルギッシュな姿が観ていて却って清々しい。
興味を持ったことには、どんどんチャレンジし、歯に着せないコメントで人気DJになってしまう件は真骨頂であろうし、喝采してしまう。
内心、弱気になりがちだが、ガミガミ嫌味を言いながら気丈にふるまうハリエットが途中からシャーリー・マクレーンとダブって見えてしまう。
作品として、充分面白いのだが、更にシャーリー・マクレーンとアマンダ・セイフライドの面白き遣り取りを観れるだけでも僥倖であると思った作品。
<2018年3月10日 劇場にて鑑賞>
幾つになっても今日を輝かせて生きるのは自分の力を信じる事!
シャーリー・マクレーン演じる主人公のハリエットは気難しく、口うるさい為に、誰からも愛されない孤独な老婆と言う印象を始めは想わせるが、しかし、彼女の人生と生き方を知るにつけ、彼女がいかにキャラクター的に愛すべき優しさを持っている人間なのかが徐々に明かされて行く辺りが、物語の中へと感情移入出来るように、本作は本当に巧く脚色されているように思う。
元々セレブの気難しい老母とアナンダ・セイフライド演じる新米ライターのアン、この2人では何も接点が無い。
人生では普通に考えれば、何の接点も無い者同士が、ひょんな縁から、行動を共にする事で、ハリエットは日々退屈な有り余る時間と目的の無い寂しい日々が、一転。
一方新米のアンはライターとして生きたいと思いつつも自己の人生に自信が持て無くて行き詰っていた現在マイナス同士のこの2人が出会う事で、2人の人生が大きなプラスの方向へと転換すると言うヒューマンドラマと言うよりは、主人公のハリエットキャラクターから言うとハートフルコメディーだね。
他者は人の表面上しか見無いので、じっくりと付き合ってみないと、いくら長くいようと中々本心を理解する事は出来ないものだ。そして、人は社会的な動物なので、付き合う立場の異なる相手には異なる対応をするものだから、更に一人の人間でも多面性を持ち、そのどの角度からその人を観ているかで、その人に対する評価は全く異なるものだ。
こう言う物語は比較的ハリウッドでは多く描かれる物語だけれども、特に本作はシャーリー・マクレーン自身をハリエットに重ね合わせている様に、描き出している処が非常に嬉しかった!
本題から外れるが、シャーリーは子供時代からバレエを習いダンサーを夢見てNYへ出てきて、主役の病欠の代役として舞台に立った事が、プロデュサーの眼に止まり、大女優の道へと進む事になるが、女優業の他にも、冒険家としても世界各地を飛び回り、何冊ものベストセラー本を執筆。政治キャンペーンも精力的にする等、本当に好奇心の赴くままに、即行動と言う方のようだ。
そして大の日本好きで、一人娘の名前は、サチと日本名を入れている程。そして彼女自身も離婚歴もあるが、それはやはりハリエットと同様にシャーリーが若い頃は女性が好き勝手に生きる事が出来ない時代にも関わらず、自己の生き様を貫き通す努力を惜しまずにして、人生を切り開いてきた勇気ある行動が、80歳を超える現在も尚も現役で活躍し続けられる原動力になっているのではないだろうか?
人生のターニングポイントや、またはそれ程大きな事では無くても、悩み落ち込んだ時には、本作を観てハリエットからパワーを貰う事が出来たら悩みはきっと何処かへ飛んで行き、明日はまた元気を取り戻せる事だろう!
本作では、人は幾つになっても人生を輝かせる事は自分の意思一つで可能になる事を教えてくれる!これ程前向きで、パワフルな終活って他には無いだろうね!気持ちがスッキリとした!
グッときた。マクレーンやっぱり名優。
10代の頃『愛と追憶の日々』を観てシャーリー・マクレーンに衝撃を受けて以来のファンです。
彼女が主役、しかも、故人の訃報記事専門のライターの話ときたら、観ないわけがありません。
シャーリー扮する老婦人は、ビジネスでも大成功しお金には困らないけれど、一人寂しい老後を送っていた。
完璧主義の彼女は、ふと、自分が死んだ後の訃報記事を生前に作ってしまおうと考え、新聞社に依頼。担当になる若いライターが、『マンマ・ミーア!』の可愛いアマンダ・セイフライド。
彼女のことを知るべく、彼女作成の[知人リスト]を手にライターはさまざまな関係先に彼女のことを聞いて回るも、出てくるのは悪口や恨み言、悪態ばかり。
利己的でわがままで、皮肉屋で、やりたい放題の彼女は周囲にとても嫌われていた・・・
それでもなんとか第1稿を仕上げたけれど、もちろん却下。こんなはずはないと怒る彼女に逆ギレしたライターは『あなたの生き方が間違っている!』と一喝。
その一言で少しずつ彼女の心が動き始めて・・・
無理矢理社会奉仕したりするけれど、そう簡単には変われないのが人間。試行錯誤。
それでも、最初はほんとに嫌味で手強い女性だったマクレーンが、可愛らしい面も見せたり、ライターが彼女の過去をちゃんと調べてみると、男性社会の中に若い頃飛び込み、能力も努力も男の2倍なければ弾かれるような時代に、色んなことを犠牲にしながらも会社を立派に大きくした功績などを知るうちに、彼女を見る目が変わってきます。(若い頃のマクレーンめちゃくちゃ綺麗)
家庭においては、離婚して、喧嘩別れした一人娘にはもう10年以上会っていないマクレーンを強引に連れ出し、母親として向き合わせることに。
(涙の再会には程遠く、ほろ苦いシーンになるけど、かえって現実的でよかったw)
そしてライター自身も、母親に捨てられた過去に未だ縛られ、自分の人生を生きられていないことに少しずつ気づいていく。
おとなしかった彼女が、自分の殻を打ち破り、本当の自分の才能と魅力に気づいていく様は、とても爽やかな感動。ステキな恋人候補にも、自ら飛び込んでいく。笑顔がキラキラしてきます。
そして新聞社を辞め、エッセイを書きたいという夢を、臆せず、目指すことに。
一方で、このことがきっかけでマクレーンも人間らしい笑顔を取り戻し、親子のように仲良くなった2人。
そして、ついに最期の時が訪れる・・・
ライターが葬儀の場で、自らの言葉でマクレーンを悼む。最後はとてもいいシーンです。
『今までの人生は、これからの人生のための序章でしかなく、やっと、これから、自分の足で、思い切り生きていける。
彼女は、そのことに気づかせてくれ、勇気をくれました』
私は彼女の言葉を、そんな風に解釈しました。
自分のことがわからなくて立ち止まっている人に、ぜひおすすめします。
私も日々、故人さんの生い立ちや人となりをナレーション作文していますが、遺族や親戚さんに故人のことをインタビューすると、立場によって全然違う印象を受けたりと、色々なんです。
この映画を観て、あらためて、
【人の人生はつくづくさまざまで、奥深く、世間の見方はあくまで一つの面でしかなく、人間というのは他にいくつも面を持っていて、上っ面や言葉だけでは決めつけられないもの】なんだなぁ、と感じ入りました。
人間力と洞察力を磨きたい。
また頑張ろ。
佳作
ひとりの口が悪い嫌われ者の女がいた、だけで終わってしまう状況を、彼女が自分の訃報を自分が生きているうちに書かせておきたいと思いついたことによって、彼女の人生も、さら訃報を書く役になった若い女性の人生も大きく変えることになっていく、というストーリー。
主人公とライターであるアンは、彼女の本当の姿を振り返っていくのだが、とにかくいやな女なので、そこかしこにおもしろい。こんな女じゃ、望ましい訃報はいくらがんばったところで書けないだろう、と思わせられる。そんな、なんでも自分でやらないときがすまず、やってもらったことには皮肉ばかり言う彼女のほんとうの心が、最後に明らかになるのはみごと。
佳作とみなされているのは、そんな主人公の姿だけではなく、描く立場であるアンのライターとしての再生物語にもなっているからだろう。
「失敗することこそが、あなたを育てる。恐れず、進みなさい」というメッセージ自体はよく聞くものだが、映画を観終わった自分の心に、その言葉はしっかりしたものとして届きました。
声高に人生を説いているわけではないのにひと言ひと言が胸に響いてくる...
声高に人生を説いているわけではないのにひと言ひと言が胸に響いてくる。映画っていいな、人生っていいな、と思わせてくれる映画。シャーリー・マクレーンも素敵だった。映画の原題はそのまま「The Last Word」が良かったのに。
期待は裏切られない。
シャーリーマックレーンという女優は決して美人でもなく、あの作り物のような女優の時代どう生きたのだろう。まるで自身のラスト映画でも撮るような、重なります。
作り過ぎ、と思う所もあるけれど、つまずいて、倒れなさいと失敗があなたを作る。これは立ち上がれるとその人を信じないと言えない言葉。親は子どもに言ってあげないといけないんだ。失敗しないよーに、つまずかないよーに、先に石ころを退けてしまう。倒れていいのよと言われて安心するよね。いいんだ、つまずいても。
、、そんな親で在りたい。
そして、意味のある1日ね。いい言葉、盛りだくさんでした、
やっぱり変えない!
予告編を何度も観ておおよそのストーリーを分かったつもりで観たけど・・・良い意味で大誤算!
圧倒的に面白い。
人生の最後に、変えられるものなら変えたいこともある、変われるものなら変わりたいこともある。でも、ひとは皆、変わらなくて良い素晴らしさも持っている。
ジジババが人生の最後を考えるための映画であると同時に、若者に「人生、捨てたものではない」とエールを贈る映画でもある。
貫く格好良さ
ここの評判を見て観に行きました。
評判以上に良かった!
誰かの人生を見せられながらも、思わず自分に問われているような想いになりました。
何者でもないと言うアマンダに
シャーリーが微笑みながら、
「みんな、何者かではあるのよ」と言うところが特に印象に残りました。
人生を悩んだり、勇気が持てなかったり、
なのに幸せになりたいという野心はある。
ちぐはぐな自分に悩んでしまう私たちに勇気をくれます。
意味ある一日を過ごす。
良い一日になんてならなくても、自分の想いを貫いて行動をする大切さ。
全員に好かれなくとも、欠けてる自分を好きになれる映画です。
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