「シャーリー・マクレーンの存在感」あなたの旅立ち、綴ります みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
シャーリー・マクレーンの存在感
やはり、シャーリー・マクレーンは凄い女優だ。本作は、彼女の円熟味のある存在感、佇まい、演技力が際立っている作品である。
本作の主人公は、引退はしたものの、悠々自適な生活をしている老女・ハリエット(シャーリー・マクレーン)。彼女は、老後の孤独、不安、から満たされない日々を送っていた。彼女は、死ぬ前に訃報を書いておくことを思い立ち、新聞社の訃報担当である若い女性記者アン(アマンダ・セイフライド)に依頼する。しかし、出来上がった訃報はハリエットを落胆させるものだった。そのことを切欠にして、ハリエットは、自分自身を見つけ直していく・・・。
ハリエットは、表面的には、憎々しい、毒舌ばかりの、嫌われ人間である。しかし、ハリエットを演じるシャーリー・マクレーンが、憂いを秘めた表情で、ハリエットが、ただそれだけの人間ではないことを巧みに表現している。彼女が波乱の人生を歩んできたことが垣間見える。そういう意味では、彼女の破天荒な行動は、人生を変えるというよりは、自分探し、やり残したことをやり切る、といった方が良いだろう。行動をしていくうちに、彼女の表情から憂いは消え、優しい眼差しになっていく。自分を取り戻していく。彼女の心の鎧が取り除かれていく。
性格も年齢も違うアンの関係は、当初は険悪だったが、様々な出来事を経験しながら徐々に深まっていく。お互いに触発されて、彼女達は自分を見つめ直していく。二人の丁々発止の会話が小気味よい。言いたい放題に聞こえるハリエットの台詞の中に、人生訓が込められていて、心洗われる。
本作はシャーリー・マクレーン演じる、嫌われ老女の終活を通して、人生の意味を問い掛ける良作である。
今晩は
今作は”絶対に面白い筈!”と思い、愛車をぶっ飛ばして(じゃなくって安全運転で)観に行きましたね。
良く覚えています。
で、観賞したらヤッパリ面白くって。(お客さんは10人位だったかなあ。)
愛知県は、劇場が多くて有難いのですが、私は電車が嫌いなので、名古屋駅前の劇場で上映される映画の中でも良作を掛けてくれる”MOVIX三好”という映画館に偶に行きますよ。
今週末は、旅先で観て物凄く感動して、メインテーマを歌ったローラ・マーリングのCD数枚を即購入した「心と体と」を撮ったインディコー・エニュディ監督の最新作が上映されるので上記劇場で鑑賞予定です。では。