劇場公開日 2016年12月23日

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「現実が映画を越えていく 悪い方に」アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5現実が映画を越えていく 悪い方に

2022年12月13日
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娯楽映画ではないから、少女の運命は最初から確定していた
そうでないとお話にならないからね
わかっている結末に向かって、どういう落とし所を作るかだけの映画です

8月に、アメリカがアルカイダ最高指導者アイマン・ザワヒリを無人機のミサイルで殺害した
この映画は2015年放映ですが、7年後に全く同じ事が現実に行われたわけです
民間人の犠牲リスクを最小限にした作戦を実施し、容疑者以外の死者はいなかったそうだけど、
人一人を殺すのにミサイルなんて、無茶苦茶するなあと、なんか嫌な気持ちになったのを覚えています

アメリカは居所さえつかめば、ピンポイントで人を殺害できることを証明した
それも裁判もなしにです

映画は、切迫した状況下、大勢の犠牲を出さないために、少数の犠牲を容認するという、ジレンマに話をすげ替えているが、

今回のアメリカの行動は
兵士を駐留させなくても効果的な対テロ作戦は実行出来る事の証明のためだった
ロシアの理不尽なウクライナ侵攻といい、現実は映画以上に非情で非人道的になってきたんだなと実感します

未来はまったく真っ暗です

ハリーポッターシリーズのスレイプ先生で知られるアラン・リックマンにとって”アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅”と共に本作が遺作となりました

nakaji