「この脚本に矛盾を感じないか?」ブランカとギター弾き TMさんの映画レビュー(感想・評価)
この脚本に矛盾を感じないか?
『ブランカとギター弾き』を観る。
フィリピンのスラムを舞台にした日本人のカメラマンの処女作である。どういう経緯で彼がベネチア映画祭の援助を受けてこの作品を作ったかは知らないが、久しぶりに見た自主映画だった。脚本の練りが足りなすぎで、あちこちでイライラする展開。スラムの中でドキュメントのように人々に溶け込んで映画を作ったリアルさはあるけれど、これは失敗作だと思う。もっとできたと私は思う。ブランカにもっと唄を歌わせなければ、映画にはならない。我々はスラムに生きた(戦災孤児や北朝鮮のコッチェビ)子供達のリアリズムを見たいわけではないのだ。この映画の評価が「家」とは帰る場所とか言ってるけれど、評価の曖昧さにつながるんだよね、そんな意見は。
ダメなものはダメ。脚本の不備は致命的。
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