劇場公開日 2016年10月8日

「この世界の片隅に地獄がある」ある戦争 Momokoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5この世界の片隅に地獄がある

2017年8月21日
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鑑賞方法:映画館

地獄は出来事そのものではなく、体験から起こる不信、疑い、無力感、恐怖、絶望だ。

地雷で重傷を負った仲間が、生きてメッセージを送ってくれる。
生死は紙一重だけれど、0と1ほど違う。

基地に助けを求めてやってきた家族を、明日と言って帰らせたが、彼らには明日はなかった。

あそこは戦闘地域?
敵は見えない。バイクに子どもを乗せて行く男は敵?
トラックに乗っているのは敵?

見えない敵が見えない恐怖をどんどん膨らませていく。

戦争法など法律にタリバンは拘束されていないが、外国人部隊は法を守り住民に信頼されてこそ任務を遂行できるとは思いながらも、見えない敵に見られている恐怖の中で、自分の決断を法に基づいて説明することはできないなと感じた。

殺されるのも殺すのも怖い。その怖さが地獄かもしれない。

Momoko