劇場公開日 2016年8月5日

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「良くも悪くも米の事実を未来へ残こうとする傾向は好き」ニュースの真相 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0良くも悪くも米の事実を未来へ残こうとする傾向は好き

2018年8月12日
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鑑賞方法:VOD

知的

2004年に実際に起きたジョージ・W・ブッシュ(息子さんの方)米大統領が再選を目指していた頃のCBS(アメリカTV局)で実際にあった報道がドラマとなっている。
今ではアメリカ大統領選挙の加熱ぶりは日本のネットTVで報道されるなどして有名だが、本格的に知り渡ったのはこの時期からかも知れない。
大統領候補が貶し合い、足の引っ張り合いをする様な報道。このブッシュjrに関してはホントおぼっちゃま大統領で、そのイメージは当時強かった。
そのジュニアの軍歴詐称疑惑だから、私的に「やりかねないなぁ」と思ってこの映画を観た。

CBS報道班はスクープとしてこの疑惑を報道するが、当時のネットや世間から偽造と断定され、事態は一転報道班がやり玉に。

報道班のツメも甘い事は確かだが、ネット社会が本格化した世間の目線の速さも見事である。
「嘘を見抜け。」
「真実を捕らえろ。」
但し、目線が速いとは云え、真実がどうかについてはこの事件では解明されておらず、今も尚である。
解明されたのはニュース化された「真相」だけである。
(この事件に関してだけ言えば軍歴詐称疑惑に一番真相に近づいたのはこの報道班だと思われる。)

好演している主役ケイト・ブランシェットが後半放つ言葉。
「いつの間にか主旨(ターゲット)が変わっている。」
主旨がいつの間にか変わっているのは、誰かがその主旨に対して逃げているに他ならない。
都合が悪い。
伏せておきたい。

日本の報道もそう言う事が多々ある。
例:ある人物メディアにて袋叩き。
えっ、、だけど、、どう言う本元でこの人叩かれているんだっけ?
2ヶ月前なんで忘れちゃったよ。知らないよ。
そんなもの。
風化するのは早い。
本元は「シメシメ」とニヤニヤしているだろうに。

この報道事件に関してはブッシュ大統領には追い風になった。現在も表沙汰には「軍歴詐称疑惑」なんて出てこない。
しかし、(しつこいと言われるかもしれないが)アメリカは後々でも映画として、またはドキュメンタリーTVとして残しておく傾向にあり、私はそこが好きだ。

日本も見習って記録として残して頂きたいものです。

巫女雷男