「とても良いお話だし映像もとても澄んでいて良いのだが…」ブルゴーニュで会いましょう いけいさんの映画レビュー(感想・評価)
とても良いお話だし映像もとても澄んでいて良いのだが…
ワイン作りを通して様々な「愛」を描いているとても良いお話。映像的にも全体的に澄み通っていて、特に風景描写は観とれるほど美しい。
でも、細部を掘り下げるとどうだろうか。先記の通り当然良いお話だとは思うのだが、ストーリーがありきたりというか、少々出来過ぎで鼻につくというか…個人的には感動の押し売りって感じがしてしまい、あまり素直に受け入れられなかった。
そして、父親の「俺の畑は絶対に手放さない」からの舌の根も乾かぬうちの「畑への興味が失せた」はあまりにもあべこべだし、息子の無意味なほどの手の早さや、再建をかけた必死のワイン作りの最中に不貞!?な恋愛を無理やり入れ込んでくるあたりは不謹慎にすら感じてしまう。「リコリスを感じたら」って…どのくらいの秘技かは知らないが、とても大切であろう収穫の時期も今まではアバウトだったの!?
この流れではガンジーのありがたいお言葉も上滑りしてしまうでしょ。
良いお話なのに疑問を呈している自分に嫌悪感を覚えつつも、やはり素直に感動できなかったのが正直なところかな。
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