劇場公開日 2023年6月16日

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「『マーベルが失いDCが手に入れたもの』がはっきりした、まさにフラッシュポイント的な作品」ザ・フラッシュ 0UTSIDER109さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0『マーベルが失いDCが手に入れたもの』がはっきりした、まさにフラッシュポイント的な作品

2023年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

栄枯盛衰という言葉がある。どれほど栄えたものでもいつかは廃れ、新しいものにとって変わられるという意味だ。本作の原作はアメコミ好きならご存じのDC界最大の事件と言われる「フラッシュ・ポイント」と言われる作品が原作である。過去を変えようとした地上最速の男が、ちょっとしたミスでバタフライエフェクト的に世界の歴史そのものを大きく変えてしまうという壮大な物語である。世界のバランスとは、ちょっとした選択で大きく変わってしまうものなのだ。そういう意味では、少なくとも本作でDCとワーナーは正しい選択をしたと言えるだろう。
冒頭から始まるバリーのカフェのシーンはザック版ジャスティスリーグを見た人へのサービスだし、最後のウェインが登場するシーンに至るまで、全編を通してすべてのDC映画ファンへのサービス精神に溢れている。これはかつてマーベルがエンドゲームやスパイダーマンNWHで持っていた、時代を超えたファンサービスであり、製作者がうまくファンのニーズを掴んでいることがわかるシーンである。

長らく続いていた迷走から、やっとDCが辿り着いた《答え》がここに見えた。一方のマーベルは作品の質の低下やラインナップの迷走、役者の不祥事(これはDCも一緒)、ポリコレ問題などに悩まされまさに迷走状態である。アベンジャーズから次々とヒーローが去っていったように、かつてのマーベルの栄光は今はもうない。そんな、すでに衰退が始まったように見えたヒーロー映画界に、まさに本作は「フラッシュ・ポイント」を起こしたと言っても過言ではない。
ヒーロー映画の時代は衰退を始めているのは仕方のないことだろう。しかしヒーローを愛している我々は知っている「ヒーローとは追い詰められた時こそ真のパワーを発揮するものなのだ」。本作がマーベルやDCを問わず、新たなヒーロー映画の新時代を切り開いてくれることを私は心の底から祈っている。

しかし、マイケル・キートンのバットマンの安定感は半端なかったな。

0UTSIDER109
YOUさんのコメント
2023年6月24日

マーベルはスパイダーマンの儲けで天狗になってしまった感がありますねぇ…アクロススパイダーは客の方を向いてなかった気がします。
二番煎じとはいえ、DCがマルチバースをやるのは今回が初なので、丁寧に作っている印象を受けました。

YOU
大吉さんのコメント
2023年6月18日

マイケル・キートン最高でした。

大吉
Mさんのコメント
2023年6月17日

マイケル・キートンの「バットマン」見たくなりました。

M