劇場公開日 2016年6月17日

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「うすら寒さを感じる」帰ってきたヒトラー ゆうこさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5うすら寒さを感じる

2016年8月10日
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鑑賞方法:映画館

現代のドイツ、ヨーロッパの閉塞感、不満のやり場のなさと、ヒトラーを生んだ1930年代を重ね合わせながら鑑賞する。
様々な問題を抱えるドイツや世界が、現代のヒトラーを作ってしまうかも知れないという警鐘を鳴らす内容だったように思う。
劇中ヒトラーの「民衆が選挙で選んだのだ。強い者を」というような意味のことを言う場面があり、民主主義というものの危うい部分を再認識されられた。
日本人である私が聞いても、劇中ヒトラーの演説は魅力的だと思ってしまうくらいだったので、今の自分が幸せじゃない、生活が苦しい、そんな人たちが魅了されてしまうのもわかる気がする。
戦後70年、人間は負の歴史を繰り返す生き物なのではなく、歴史から学ぶことができる生き物なのだというのとを証明しつづけたいものだ。
いまの時代にこの作品を世界の人々にぶつけてきた製作陣に拍手を送りたい。
物事を考えるきっかけになる、観てよかったと思える映画だった。

ゆうこ