「お母さんからの贈り物のよう」はじまりへの旅 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
お母さんからの贈り物のよう
子ども達が最後のお別れに行くロードムービー。
自然と共に暮らす家族、オープニングの楽曲もあって幻想的に見えます。
狩、食事、訓練、勉強、セッション、生活のサイクルが全部ここにあって、その生きる様は美しくさえ見えるんですね。
そして長男、大自然の暮らしに反してスリムでイケメン。何だかカモシカのよう。次男も若き頃のリバーを彷彿とさせます。
女の子達も皆個性的であり魅力的。
亡くなったお母さんに会いに行く旅が始まるのですが、この旅によって子らが新たな世界に出会い成長して行く。
そうしていくうちに子どもたちに自我が芽生え、だんだんとほつれて行く父の王国。
そうしてついに自身の「悪気のない過ち」に気づく父。
子どもだけでなく、父も含めた家族の成長の旅だったんですね。
最後に家族が集まった丘では、皆でお母さんの好きな歌を歌ってお別れ。
その曲がまさかのガンズ「スウィート・チャイルド」。
しかもこれがまた美しいアレンジなんですよ。
それが抜けるような空の下で歌われて、こんな明るく前向きなお別れがあるのかと感動すら覚えました。
また、サントラにはこのままのver.が収録されているっぽいですね。気になります。
最後には生まれ変わったような新しい家族の風景が広がっていて。
シリアルを食べる父に服を着て食事をとる子、この生まれ変わったような生活はお母さんからの贈り物のようでした。
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