「Netflixで観ました」はじまりへの旅 モグワイさんの映画レビュー(感想・評価)
Netflixで観ました
理想や理念があるのは良いことだと思うし、父子のいいシーンがたくさんあるが、
ストーリー上、何かと都合が良すぎたり、子供たち素直すぎたり、見え方が良すぎ(ボロボロの服とかがとてもオシャレ)で嘘っぽさが拭えないことで、どうしても入り込めなかった。
継ぎ接ぎやお古を着ていてもオシャレに見える点は、ビジュアルグッドなポスターなどの影響で観たいと思う人を増やすのに役立っている気もするので、全面的に否定はできないが、個人的には黒板五郎(北の国から)のほうが応援したくなってしまう。
それと、収束の感じも、義両親とのこととか、大学のことはどう話し合って辞退したのかとか、あっさり全員学校に行くことになったみたいだし(嫌がる子や学校に合わない子が1人もいないの?)、じゃあこれまでの10年何だったの?って感じで、ん? てなった。
今どき森に住んでなくても、不登校とかで学校行かずとも立派に大人になってる人はいるわけだから、「学校行く=まともな暮らし」みたいな結局既存の価値観を疑わず同調しただけみたいになってて、もやもや。子どもに選ばせるとか、ひとりひとりに最適な方法を見つけてやるとか、あのお父さんらしい熱意ある着地が欲しかった。
〈良いところ〉
下の子2人がとにかく可愛い。
劇中に登場した本が面白そう。
ああいう車ほしい。
感心したのは、車から全裸で出てくる父親の局部を、ボカシたり、障害物で遮ったりせずに、堂々と見せていたところ。あれを隠したら結局意味が変わってくるもんね。
この映画は、子育て中のパパが観るのが1番いいんじゃないかな。
アメリカや日本のような先進国の、父権の弱くなった現代の父親の涙腺にはこたえるでしょうな。