「いろいろ気になったことを確認したかった」スター・トレック BEYOND うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
いろいろ気になったことを確認したかった
まずは、J.J.エイブラムス。
彼が監督を卒業して、プロデュースに回ったことで、作品がダメになりはしないか?という点。これは杞憂だったようで、クオリティは落ちるどころか上がっています。
次に、「SW」との差別化。
扱っている題材だったり、いろいろと似ている要素が多いので、画面を通してそれが滲み出てしまうんじゃないかという点。これも杞憂だった。あちらは現物主義で、フィジカルなエモーショナルなフレッシュなヤツだったが、こちらはいい意味で、ロジカルでソウルフルで、トラディショナルだった。
思えば、リブートした瞬間に、世界観を一回ばらばらにして組み立てなおしたので、今回はその発展形の集大成というストーリーだった。あちらは、リブートしたて、こちらは言わば完結編で明確に、作品の色合いも、画面構成も違うのだ。
むしろ、マーベル作品の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に驚くほどテイストが似てしまっていて、クリス・パインと、クリス・プラットはますますキャリアを比較される俳優になっていくことだろう。
そして、チェコフことアントン・イェルチンが他界してしまったことで、何らかの影響が出るのではないかと思われたが、それもなかった。
今回、クルーがバラバラに散開するので、面白い組み合わせのバディ・ムービー仕立てになっていて、ストーリーはかなり楽しめる。
ただ、スポックの影が薄味なのがちょっと気になった。ザッカリー・クイントはこのままフェードアウトしてしまうのか。
さすがに4作目は製作されないんじゃないかと勝手に想像してしまうが、そうなると、彼の姿も見納めか。
映画の内容は、とにかく豪華なジェットコースター・ムービーに仕上がっていて、理屈抜きに楽しめること間違いなし。
2020.9.4