「スノーホワイトが登場しないスノーホワイト」スノーホワイト 氷の王国 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
スノーホワイトが登場しないスノーホワイト
一言でいうなら、『スノーホワイト』ではなく、ダークな『アナと雪の女王』実写版といった感じかな…(笑)
前作の『スノーホワイト』の続編となる本作。前作でスノーホワイトとハンターのエリックが魔法の鏡の悪の女王・ラヴェンナを倒した時を挟んだ以前の話と、その7年後を描いている。そのため、スノーホワイト自身は、登場しないスノーホワイト・ムービーとなっている。魔法の鏡を介した物語ではあるが、正直『スノーホワイト』とは別物のストーリーとなっている。
今回の主役は、ハンターのエリック。エリックが、ハンターとなった経緯と共に、氷の女王となった、ランヴェンナの妹・フレイヤとの、魔法の鏡を巡る因縁の闘いを描いている。フレイヤ自身も、レイヤの子供の命を奪われる事件をきっかけに、ラヴェナと袂を分かち、新たな氷の王国を作り上げ、謀略武人に他国を攻め入っていた。そこにラヴェナがエリック達に殺されたことを知り、魔法の鏡は取り返す命令を出し、より強い力を得ようとする。
それを阻止しようとするのが、エリック。そしてその仲間となるのが、以前エリックの恋人で、エリックと共にフレイヤの元で戦士として育てられたサラ、そして4人のドアーフ達。
内容やストーリーに関しては、スノーホワイトをモチーフにしながらも、よくあるお伽噺。CGもそれなりに駆使していたが、それほどの斬新さもなくサプライズも無かった。しかし、本作は、それをカバーするのが出演者の豪華さ。
まずは、主演のエリックのクリス・ヘムズワース。武器をハンマーから斧に持ち替えての激しいバトル・アクションだけでなく、クスッと笑えるようなコミックな演技でも魅了してくれる。
また、個人的に大好きなエミリー・ブラントが、氷の女王・レイヤを演じ、悲哀溢れる冷酷な女王を演じているのは、嬉しい限り。
勿論、前作からの邪悪な女王・ラヴェナ役には、こうした役には的役なシャーリーズ・セロンがバックにドンと構え、存在感ある演技を見せている。
また、エリックの恋人役の戦士・サラには、『X-MEN』や『オデッセイ』等でも出演している、ジェシカ・チャスティンが務めている。
これらの俳優陣の演技を観るだけでも、本作の価値があると思う。