劇場公開日 2016年11月3日

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「ほのぼのコメディーの傑作」ぼくのおじさん 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ほのぼのコメディーの傑作

2022年6月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

初鑑賞

2016年の作品

原作未読
原作はどくとるマンボウの北杜夫
原作は1972年発表の作品でおじさんのモデルは北杜夫自身
北が大学で無給助手をしていた頃が元になっている
この映画はそれを現代風にアレンジしている

監督は『リンダ リンダ リンダ』『天然コケッコー』『マイ・バック・ページ』『苦役列車』『もらとりあむタマ子』『味園ユニバース』『ハード・コア』の山下敦弘
脚本は『探偵はBARにいる』の須藤泰司

松田龍平の当たり役
松田龍平の代表作

タイトルのぼくのおじさんといえば寅さんシリーズを思い出すが直接の関係は多分ない
でもなんかそれを彷彿させなくもない

おじさんは大学の先生らしいが本編を観ると最初のうちは無職にしか見えない
先生と言っても臨時のためか仕事がない
普段は暇なので家でゴロゴロしている
それでも収入はあるはずだがケチなのか読みたい漫画雑誌を買うお金も甥とワリカン(しかも三分の一)
休日に甥と外出する際は義理の姉にお小遣いをもらう
一応インテリの端くれのためか見栄っ張りで屁理屈ばかり捏ねているダメダメなおじさんだが雪男にはわりと慕われているようだ

前半日本
後半はハワイ

春山雪男は人選を迷った挙句おじさんのことを作文に書くわけだがその形で話が進む
春山家では猫(ニャム)を飼っているが語り部は猫でなく甥の雪男
その作文が高く評価されハワイ旅行が当たる

作文の副賞で雪男は保護者のおじさんと一緒に渡米し帰国した稲葉エリーのハワイの自宅にお世話になる

恋敵の春山もエリーを追いかけハワイにやって来た
おじさんの恋の行方は

雪男の妹も利発だ
そういう系統なんだろう
動物園のナマケモノの喩えは秀逸

和菓子店の行列の最後尾にいたおじさんだけが試食のお菓子を食べられないくだりは好き

舞台がハワイになるとまあ当然だが字幕スーパーばかりになる
おじさんは文系のインテリだが英語は少ししか喋られない

こういうエンディングテーマ好き
エンドロールのあとおまけあり
続編まだ?もう無理か

定男の弟で居候している哲学者(大学の臨時講師)のおじさんに松田龍平
小学校四年生のぼく(春山雪男)に大西利空
雪男の妹・春山恵子に小菅汐梨
雪男の母・春山節子に寺島しのぶ
雪男の父・春山定男に宮藤官九郎
雪男のクラスの担任を務めるみのり先生に戸田恵梨香
雪男の母の姉で画廊を経営しているお節介焼きで口うるさい智子おばさんにキムラ緑子
皇室御用達・老舗の和菓子店社長でエリーの元フィアンセ青木伸介に戸次重幸
キャシーの娘で写真家の稲葉エリーに真木よう子
実家がハワイのコーヒー農園を営む日系アメリカ人の稲葉キャシーに銀粉蝶

身内を作文に書くとたとえ真実でもヘタなことは書けない
あさりちゃんの作文もコンクールで入選したがネタにされた母と姉は激怒し主人公が追いかけ回される定番のオチになっている
映画comの気に食わないレビューなら削除すれば済むことだが公開された作文はそうはいかない
若気の至りで出演したAVみたいなもので無かったことにするのは困難だ
絶妙なイジリはユーモアに繋がるが誹謗中傷という点では際どいので兎角人の世は住みにくい

野川新栄