「“タブーを破る”ことの意義と代償。一線を越えた教授の悲喜こもごも。」教授のおかしな妄想殺人 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
“タブーを破る”ことの意義と代償。一線を越えた教授の悲喜こもごも。
【賛否両論チェック】
賛:“他人のために殺人を犯す”という禁忌によって、生き甲斐を取り戻していく主人公の姿が、コミカルでもあり痛々しくもある。ありふれてはいるが、どこか光る終わり方も魅力的。
否:展開は結構淡々としているので、特に前半は眠くなりそう。
最初は生き甲斐もなく、生気を失っていた主人公が、「赤の他人のために悪徳検事を殺害する」という目的を見出だし、次第に生き生きとしていく姿が、滑稽な中にも切なさを感じさせます。同時に、“恋人がいる教え子との恋”という、言ってみれば2つのタブーに足を踏み入れていく様子もまた、非常に考えさせられます。
展開はかなり淡々と進んでいき、特にメリハリのある描写があるわけでもないので、その辺りの好みは分かれるかとは思います。
ラストも予定調和ではありますが、どこか憎めないのが、またステキなところ。ウディ・アレンファンにはオススメの作品です。
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