「出がらしまで美味しく味わう」教授のおかしな妄想殺人 オリガチェンコさんの映画レビュー(感想・評価)
出がらしまで美味しく味わう
近年のウディ・アレン作品の中ではイチバン良いのでは。そう感じたのは『それでも恋するバルセロナ』(2008年)以来?
かつてのベルイマンやフェリーニのスタイルのなぞりは影を潜め、他の監督たちによる近年の話題作からの「影響」も殆ど匂わず、残ったのはこれぞウディ・アレン印の「出がらし」の香り。
ブルジョワやインテリたちの怠惰な日常生活が、鼻持ちならなくなるところを上手く回避し、飄々と嫌味なく描かれています。
あえて断定的に言ってしまえば、本作の下敷きにあるのはブレッソン監督晩年の一連の作品。あくまでも本作の主人公のセリフを借りると私の独断的な「直感に頼っ」た印象ですが。
その意味で、劇中にでてくるドストエフスキーの「罪と罰」は目眩ましですね。
いずれにせよ、エマ・ストーンがごく自然に男性にしなをつくってみせる演技全開で、男性の眼からすればきっと最高にカワイイに違いないところも含め、「見てソンはない」と思います。ただしカップルでの鑑賞はオススメしませんが(笑)
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