「バロン『カトリックのシステムに入っていって組織を揺るがす記事に』」スポットライト 世紀のスクープ Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)
バロン『カトリックのシステムに入っていって組織を揺るがす記事に』
わあすごい映画。『スポットライト』の記者って本物だね。泣けるシーンが何度もあった。アメリカ映画じゃなくてはこの危険に迫る逞しく洞察力のある姿は表現できない気がしたがこれは私の偏見かもしれない。これは本当にあった事件簿だと。ローマカトリック司祭による性的虐待事件をカトリックの組織的に深く追求して暴くから、ボストンに根強い宗教における、カトリック教徒とボストングローブの記者との関係を見ていて考えさせられる。
困ったことは出演者が多すぎて、『スポットライト』のメンバーに新編集長、まではおえるけど、ローマカトリック教会の側と司祭の被害者になった人々やカトリック組織側や弁護士側などで、私の頭は少し混乱した。ちょっと右端にこの人はどこの誰と字幕でも出たらまだ頭の整理がつくんだけどね。それに二時間の映画だからインフォメーションが多くてまご付いた。でも、最後の30分あたりから感激して泣けたねえ。
カトリック教会の司祭によるセクハラはかなり有名で法王も問題解決をするという発言をしているし、度々取り上げられているから内容には戸惑いはなく見られたが、ボストン・グローブ紙の『スポットライト』の存在は全く知らなかった。
心を打たれて泣けたところをいくつか書き留めておく。編集長バロン(リーヴ・シュレイバー)の言葉であり、スポットライト会議でのマイク・レゼンデス(マーク・ラファロ)の感情を丸出しにしたバロンに反対する弁論。司祭による性的虐待の事件数からその隠蔽、処分など事実が分かっているがバロンは司祭個人でなく組織を訴えたいという。
マイクは裁判所から証拠の文書をスポットライトのメンバーに読み上げた。そして、この読んでいる間にももっと司祭のセクハラが起こっている。 だから、この彼が突き止めた事実で十分な証拠だと叫ぶ。スポットライトのメンバーも納得しているようだが、ロビンソン(マイケル・キートン)がバロンはカトリックのシステムに入っていって組織を揺るがす記事にしたいと。一人の司祭のセクハラでなく。このジレンマだけでなく、ハロルド新聞社がこの事件を嗅ぎつけていると。マイクはサーシャ(レイチェル・マクアダムス)の家庭をその夜訪ねて、子供の頃、ローマカトリック教会に通っていたが教会は心の拠り所でなくなり、いつか戻ろうと思っていたけども、戻れないとい心の中を打ち明ける。いいシーン。
ロビンソンはピート・コンリーにユダヤ人のマーティ・バロンを新編集長は長くここにいないよ。ニューヨークに行ったりマイアミに行ったりしてきて、、ボストンも腰掛だよと言われる。そして、でもロビンソンはボストンに根を下ろして、ここのカトリックの共同体の中で生きていくんだよと言われる。目をつぶれ村八分的になるなと含みを込めて?!
マイクはクリスマスの夜、教会で聖歌隊がきよしこの夜を歌っているのを聞いている。ここで歌っている純粋無垢の子供が司祭の餌食になるんだよ思いながらじっと見つめている。 私は思わず嗚咽!!
ロビンソンは『なぜ、司祭のセクハラを暴くのにこんな時間がかかったのか』とある(忘れた)に言われる。グローブに帰ってからも、なぜと。ロビンソンはメトロにいて1993年に虐待を行った20人の司祭のリストを忘れていたことを告白する。しかし、それについて誰一人責めるものはいなく、バロンはスポットライトが今、ローマンカトリックの組織を暴いたことを褒め称える。
字幕で枢機卿法はやめさせられたが、ローマに左遷(??)させられたと!