「最後まで胸くそ悪さが残ることが素晴らしい」スポットライト 世紀のスクープ cani tsuyoさんの映画レビュー(感想・評価)
最後まで胸くそ悪さが残ることが素晴らしい
ボストンのカソリック教会の幼児への性的虐待を新聞記者が暴く実話を基にした話。
新聞記者が取材をしたり、資料を漁ったりするばかりで派手なシーンがないのだが、まぁ最後までハラハラさせられる。
細かな取材をしている新聞記者同様に1シーン1シーンを丁寧に仕事により、映画というものはアクションが無くても画面に映っているものが『アクション』であり、全てアクション映画だと言わんばかりの映像作品だった。
登場人物の想いが口より所作に出ており、それを見ているだけでハラハラするし、徐々に幼児性的虐待の真相がここの問題で無く立体的はシステムとしての問題として浮き上がり、息もつかせなかった。
しかし、息もつかせないまま真相が明らかになっても、胸クソが悪い。それは現実がまだ改善されていなかったり、この問題が氷山の一角ということをマザマザと知らされるせいだ。
しかし、その胸くその悪さを告発したことがこの映画の素晴らしさなんだろう。
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