「サスペンス調のヒューマンドラマ」シークレット・アイズ きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
サスペンス調のヒューマンドラマ
サスペンスというよりヒューマンドラマ寄りの印象でしたが、全体的にしっかりしていて、引き込まれました。
過去と現在が割と頻繁に交互するのでそこは注意して観なければいけません。登場人物の髪型で見分けるとわかりやすいかと思います。
あとはマージンと馬好きの車泥棒を同じ人が演じているのもわかりにくさを助長してますね。演出上仕方ないのですが。
演者が豪華です。
特にジュリアロバーツ。演技はもちろん、見た目の変化も凄い。過去と現在で全くの別人にすら見えます。最初は同一人物だとわかりませんでした。
キウェテルイジョフォーもいい演技していました。ラストの拳銃を置いて目で訴えかける様とか良かったです。
ニコールキッドマンは美しい。デキる女感が素晴らしかった。自白を引き出すシーン、めちゃくちゃ格好良かったです。
キャラクターとしてもみんな良かったですね。バンピーやシーファートも。どこかリアリティがありました。
恋愛要素も本筋を邪魔せずにリアリティを添えていて、いい塩梅だったと思います。
レイはクレアが好きだけれど、一番大切なのはジェス。クレアもレイのその思いを理解しつつも、気にかかっているように見えました。
クレアはエリスのことを「彼は私を理解してくれている」と言っていましたが、そこに自分がレイを理解しているという気持ちを重ねていたのかなと感じました。
考えさせられるストーリーです。もし自分の家族や友人が被害者になったら…という。
過去の回想がどれもかわいらしく、幸せそうで暖かいので、現在の辛さを際立たせる効果が抜群でした。
主人公はとてもいい人なのですが、自分にも責任はあるとはいえ、13年間も友人とその娘のために犯人を探し続ける執念深さには少し恐ろしさも感じました。
その後の展開から、その13年の努力はなんだったんだ…という徒労感が出るのはいいですね。更にシーファートのことを考えると辛いことに…。
まさか…?からの驚愕のラストも良かったですね。
ラストは賛否両論あるでしょうが、難しいところですね…。
確かに鑑賞時には、え…そうするの!?とは思いましたが、レイは過去にも殺す提案をしていましたし。
あとあと考えるとジェスを憎しみ、そして憎しみ続けることの苦しみから解放してあげる方法としては一番の選択だったかと思います。
ジェスも最後少し微笑んでいるように見えました。
テーマが重めのヒューマンドラマを観たい時におすすめ。