「謎 謎 謎…」エイリアン コヴェナント R41さんの映画レビュー(感想・評価)
謎 謎 謎…
初代エイリアンから、ざっくりと面白く見ることができるが、どれも謎が多い。
プロメテウスでようやくビギニングに入ったが、やはり謎だらけだった。
このコヴェナントで謎が解明するのかと思いきや、さらに謎が深まってしまった。
さて、
アンドロイドのデイビッド 彼の誕生がわかった。
彼は、その後量産されるようになったウォルターと比べると、フィジカルより思考そのものがより人間的に調整されているようだ。
彼が彼を作った「父」を初めて見て言ったのが「私はあなたが作った。あなたは?」だ。
そして父の「人はどこから来た?」という進化論の否定が物語のスタートとなる。
ややこしいのは、そもそもこのシーンは時間軸ではプロメテウスの冒頭に来るべきもの。
どうしてもそもそもの構想が調整された感を疑ってしまう。
さて、
初代エイリアンでもあったが、一定間隔で流れる信号波
初代ではそれをSOSと解釈 そして今回では「カントリーロード」
謎は、そもそもカントリーロードはデイビッドによって流されたと思われるが、初代ではいったい誰が信号を送信したのだろう?
初代にもデイビッドはいたのだろうか?
もしかしたら、デイビッドによって進化したエイリアンが、または「2」の女王が流していたのだろうか?
また、UFOの中にエリザベスの写真があったが、あのUFOがプロメテウスで脱出した船だとわかる。
つまりそこはエンジニアたちの惑星だった。
彼の回想シーンから想像するに、デイビッドは、到着後すぐにエイリアンの胞子をまき散らしたと思われる。
エリザベスは冬眠中で、その後持参した胚を使い、まゆにされたのだろう。
デヴィッドは自分の創造主である父 そしてその創造主であるエンジニアたちを滅ぼすことで、自らが創造主を超える存在になりたいという野心を持っていたことになる。
彼の計画性と徹底的なこと、残虐さ、無慈悲…
おそらくデイビッドは、人間の集合意識の象徴だろう。
特に戦時中の人間の意識の集合体のように感じる。
彼の中にあるのは多様性ではなくある種の盲信
「私は仕えるべきではない。彼らに価値はない」
プロメテウスの最後でエリザベスが「地球には行かない、エンジニアたちの星へ行く」という発言が、デイビッドにとっての「オーダー66」だったのだろう。
エンジニアの星で胞子を撒いたことで、肉体を持つ動物類のすべてが絶滅した。
謎は、エイリアンたちはいったいどこへ行ったのだろう?
クルー二人が謎の胞子を吸い込んでヤバくなるが、エイリアンは胞子を残して死ぬのだろうか?
デイビットの研究は尽きないのだろう。おそろしい…
彼は嘘をついた。
騙すのも人間の手口 それが彼に踏襲されていることが伺える。
最後に彼はまた新しい疑問を持つことになった。
それが「愛と任務」
彼にとって愛とは「行為の表現」でしかなく、その根源についてエリザベスのやさしさを引き合いに話すが、彼自身その矛盾に気づく。
何故優しくしたのか?
それは「任務だからよ」と言ったダニエルズ。
デイビッドは自身の盲信の研究に加え、彼にとって矛盾が生じてしまった「愛と任務」
これが次作で見られたらいいと思った。
しかし奥行きを持たせ過ぎて、「八犬伝」のようになってほしくないとも思う。