「アンドロイドはエイリアンの夢を見るか?」エイリアン コヴェナント ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
アンドロイドはエイリアンの夢を見るか?
想像以上に『エイリアン』だった。構成は『1』で銃火器アクションは『2』でエイリアン視点の描写は『3』でグロテスク度は『4』という具合。しかも物語は『ブレードランナー』。「創造主」リドリー・スコットの割には二次創作的ではあるけど力の漲りようは流石だ
リドリー・スコットはマイケル・ファスベンダーがお気に入りのよう。彼が演じるデヴィッドをオジマンディアスやサタンを引用して(「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」的な台詞まで!)寓意的な存在に仕立て上げた。反逆者かつ支配者かつ創造主。リドスコは本当に人間が嫌いなんだな
『プロメテウス』から続く本シリーズの終着点は『エイリアン』と決まっている。ただ理屈無用の最恐SFゴシックホラーだった同作に後付けで「意味」を与え過ぎることにはやや疑問。エイリアンの得体の知れなさはそのままでよかったのでは?とはいえ本作も十分に楽しんだけどな
デヴィッドからウォルターへの「ユダの接吻」とかやり過ぎじゃない?どんだけ聖書的な「意味」を与えたいの?でもリドスコは『エクソダス』で旧約聖書を科学的に解釈してみせた面もある。『プロメテウス』はとんでも科学描写満載で『オデッセイ』では科学者讃歌を歌い上げた。分裂した人なのか?
ホラーとして素晴らしかったのは1人でトイレに行った奴は死ぬしセックスしてる奴らも死ぬとこ。ホラーの定石は宇宙でも不変!
リドリー・スコットは『エイリアン』と『ブレードランナー』を同じ話にしようといている。奇しくも今年は『ブレードランナー』の続編も公開される。どうなってしまうのか楽しみで不安
いっぱい人が死ぬ楽しい映画
そういえば今年は『エイリアン』フォロワーの『ライフ』っていう作品もあったけどあれも面白かったよ。『コヴェナント』とはラストの意地悪さがかなり近いんよな