「逃れた先でも波瀾万丈。」ディーパンの闘い だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
逃れた先でも波瀾万丈。
スリランカ内戦の兵士が、他人である女と子供と共に偽装家族として難民申請をパスしてフランスで生きるお話です。すこし幻想的でちょっとバイオレンスで、せつないお話です。
説明的な描写は少ないので、スリランカ内戦の予習は絶対いるでしょう。
私も全くの門外漢ですが、予習しないとちんぷんかんぷんだろうと踏んでホームページを熟読してから見ました。なのでなんとかついていけました。
ディーパンたちが与えられた住処にいた、不良たちはヨーロッパ系にしか見えないのですが、移民とゆうてましたよね。アフリカ系も多少いらっしゃったけれども、アラブ系はほぼ見受けられずな印象。トルコ系のイスラム教徒というせっていなんでしょうか。
ディーパンとヤリニが肌を合わせるだろうことは自然の成り行きに思えます。
ヤリニは26ってゆってたし、働き先の家の不良にちょっと惹かれるのもわかります。
娘ちゃんの「ほかのお母さんみたいにキスして」って気持ちもわかります。
ヤリニが時々とても艶っぽくてどきどきしました。
全体的には切ないなぁと思って見ていました。
故郷の内戦にそれぞれが傷つき、命からがら逃げてきた先でも、暴力に巻き込まれるのが、やるせないです。
でもよくありそうだなとも。
自分の気持ちはもう変わっていても、かつての属性に振り回される理不尽さ。一方で、難民申請が通ったのは、かつての属性のおかげであり。嗚呼、ままならない!
ディーパンがヤリニを助けるために再び人を殺す辺りは、怖かったです。とても。
人は暴力から自由になることはできるのだろうか、という思いが残りました。
ラストで擬似家族が本当の家族になっていた事は良かったねと思う訳ですが、それだけではいけないとも思います。
タクシーの運転手になったんですかね。
あの車種はイギリスかなーとかおもいました。
実子だけでなく、偽の娘も本当の娘として大切にしてあげててほしいなとおもいました。