「移民たちに安住の地はあるのか」ディーパンの闘い とえさんの映画レビュー(感想・評価)
移民たちに安住の地はあるのか
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昨年(2015年)カンヌ国際映画祭で、パルムドール(最高賞)を受賞したフランス映画。
主人公のディーパンは、スリランカの内戦からフランスへ逃れてきた移民。
フランスでは、結婚して家族でいることが、長く移民として暮らすことに有利なため、スリランカで妻役のヤリニと、娘役のイラヤルで偽装家族を作って渡仏。
そして、フランスで家族として暮らすうち、ディーパンはヤリニを愛するようになる。
最近、フランス映画では定番となりつつある移民問題。
ただ、移民問題や紛争に詳しくなくても楽しめる、エンターテイメント作品に仕上がっているのが、この映画の良いところ。
最後まで見終わってみると、フランスは移民を受け入れてはいるけど、紛争国と同じぐらい、国内の貧困層に問題を抱えていることがわかる。
主人公のディーパンは、愛するヤリニを守るために立ち上がる。
これが、本当にフランスの貧困層で起きていることだとしたら、とても深刻。
まるで、戦争してるみたい。
フランスは、もはや安住の地ではない。
だからと言って、イギリスだったら安全なのか?と言えば、それも違う気がするけど。
ディーパンの生き方にグイグイと引き込まれる作品だった。
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