「【福島原発事故を風化させない、意義ある作品。当時の東電幹部と政府の要職に居た者は正座して見るべき作品でもある。】」大地を受け継ぐ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【福島原発事故を風化させない、意義ある作品。当時の東電幹部と政府の要職に居た者は正座して見るべき作品でもある。】
ー 福島第一原発の事故後、福島で苦悩しながら農業を続ける家族と東京の若者たちとの対話を描いたドキュメンタリー ー
■感想
・ごく普通の若者達が、福島原発により、先祖代々受け継いだ土地を汚され、苦悩してきた経緯を話す男性が、訥々と、時に涙し、話す内容に、涙を流しながら、聞き入る姿。
ー福島原発事故を受け、農作物出荷停止のファックスが届いた翌朝、福島県須賀川市で農業を営む1人の男性が自ら命を絶った。残された息子の樽川和也さんは、母の美津代さんと今でも畑を耕し続けている。複雑な思いを胸中に抱えつつ・・。ー
・東京からやって来た学生たちを前に、汚染された土地の作物を流通させる生産者としての素直な罪の意識(彼らには、何の落ち度もないのに・・)、東京電力との戦いなど、終わりが見えない現在進行形の、さまざまな葛藤が語られていく・・。
<樽川さんの数々の言葉は、あの事故により人生を狂わされた多くの人々の声を代弁しているようだ。
”風評ではない、現実なんだ”
彼の福島原発の”人災”を風化させない意義ある作品。東北の、そして福島の民は、あの時の事は、決して忘れない・・。
現宰相は先日の発災10年の式にて”福島は確実に回復しつつある”と述べたが、福島の状況は好転していない。>
<監督の舞台挨拶をお聞きした。
ここには書かないが、興味深い話を沢山聞く事が出来た。
シネコンでは絶対にかからない今作が、近くで上映されているようであれば、鑑賞されることを強くお勧めしたい作品である。
気骨ある、聡明な監督さんであった・・。>
<2021年3月21日 刈谷日劇にて鑑賞>
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