「【友情と哀しみの思い出の夏の教習所】」森山中教習所 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【友情と哀しみの思い出の夏の教習所】
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■夏休みに車の免許を取ろうと思いついた大学生の清高(野村周平)。
ある夜、無免許運転していたヤクザの轟木(賀来賢人)に轢かれてしまった彼は、轟木と一緒に非公認の教習所に連れていかれる。
じつは高校の同級生だったふたりは、訳ありが集まるこの教習所でひと夏を過ごすことになる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・途中まで一切笑わない、驫木を演じる賀来賢人さんは、矢張り巧い役者である。
施設育ちで、そのままヤクザになった驫木。そんな彼に高校時代に只一人声を掛けてくれたのが清高だったという懐かしみを抑えつつ、淡々と役を演じる中でそこはかとない彼の哀しみと只一人の友達と教習所に通う喜びを抑制した演技で魅せている。
■そんな彼が、夢の中で清高と一緒にヤクザの親分(光石研)の事務所をショベルカーで襲撃するシーンはナカナカ面白かった。そして、清高と二人で寝るシーンで驫木が言った言葉。”今年の夏は、面白かった。”
<ラスト、免許を無事取った二人。
その、三年後、清高と恋人の千恵子(岸井ゆきの)の車と、ヤクザの親分の運転手になった驫木が、踏切で擦れ違うシーンも、もう二人はあの夏以降、別の世界で生きる人になった事を暗喩している。今作はコメディだが、少し沁みる作品である。>
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