アズミ・ハルコは行方不明のレビュー・感想・評価
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蒼井優の演技がよかった
作品の時系列がなかなか読めず、行方不明になった時期も最後までわからなかった。ただ、今になって思うのは若い時のノリというのは悪い方に進むと怖いと思った。
キャラ立ちが激しい
キャラクターが立ちすぎていると思う。そのせいで、どこまでがリアルなのか、ファンタジーなのかが見分けづらい。
例えば、ラストの女子高生おやじ狩り軍団の指鉄砲などは明らかにファンタジーであろうが、前半、中盤での凶行については多分にリアルである。
高畑充希のうざいヤンキーぶりや、蒼井優の地味系ぶりのキャラ立ちが激しいだけに、これらが見事に昇華、霧散するラスト前の公園池シーンには面食らう。また、シーンの切り替えや時間軸のランダムさが目まぐるしいだけに、違和感が増幅する。
やりたいことが透けて見えるような演出に、制作側の若さが露呈した感がある。
刺激的で良かった!!
序盤は雰囲気映画かと思いましたが徐々に引き込まれ、「ディストラクション・ベイビーズ」とはまた違った刺激があって楽しめました。ラストの投げっぷりも似ていますが、こちらは鬱屈としたものがより強いです。実家で怒鳴り声が聞こえてきて、布団をかぶるのは私もやりました。劇中の言葉ですが「優雅な暮らしが最高の復讐である」は良かったです。「いつ恋」、「植物図鑑」でファンになりましたが、高畑充希のキャラもまた新鮮で良かったです。ユキオ(太賀)のバカっぷりは何とも言えませんが、案外男というのはこんな感じで生きているのかも知れません。太賀って何か不快だと思ったら中野英雄の息子か。地方の若者向け、都会で行き場をなくした大人向け、どちらでもいける映画だと思います。
偉そうな政治家に観てもらいたい
映画館に貼ってあった
ポスターとタイトルが気になって、
それだけで何の知識もなく鑑賞。
物語はのっけから
夢も希望もみえない地方都市の閉塞感を、
赤裸々に綴っていて苦しい。
主人公のアズミハルコは実家暮らしで、
リッターカーを足にして地元のドラッグストアや、
パートやファミレスという範囲で暮らしている。
もう一人のヒロイン愛菜も、
そんな街で寂しさに壊れそうな女の子。
そのはけ口としてセックスに走る、
出てくる男たちは、
ハルコの上司も愛菜の彼氏も
どいつもこいつもロクでもない奴ばかり。
マグマを溜め込んでいく、
2人の女の子に、胸が切なくなる。
そこに男狩りをする女子高生グループ。
それが中盤で交差してくると、
気づいてくる。
ああ、これは女子たちの復讐の映画なんだ。
男だけでなく、社会への、日本への。
若い子が押しつぶされそうな、
今の日本が悲しい。
終始時間軸をずらして、
焦らす手法は面白いけど、
ちょっと高度すぎてよく分からなくなる。
原作を読みたくさせる映画だ。
蒼井優さんのけだるい世界感はさすがだけど、
最近の作品はすぐ寝ちゃう
女のイメージがついちゃいそうで怖い。
とと姉ちゃんの高畑充希さんは、
実は最後まで気づかなかった!!
すぐ後の作品でこんなにちゃらぶっ飛んだ
演技ができるなんて、
なんて女優なんだ!
それが一番心に刺さったよ。
あとアカデミー男優の加瀬亮さんの警官が、
存在感あってよかった。
後味もよくないけど、
日本の闇はひしひしと伝わってくる。
シラけた若者を嘆いてるジジババや、
偉そうな政治家に観てもらいたい作品だ。
安住
ストリートアートもどきのイタズラ、女子高生による集団暴行、それら若さ故の衝動による限界突破は、それが犯罪行為であっても美しい。
逆に若さを失いつつある者、または失った者たちの衝動のせせこましさ、これもまたある意味で美しい。
まあ、この映画の言わんとすることはそんなことでは無いと思うし、結局主題もワケわからなかったんだけど。
高畑光希がすんごい可愛かったのが一番印象に残った。
15
わかりにくい
行方不明前の話と後の話が最後まで交差して、
わかりにくい。
女子高生が、集団で襲う理由がわからない。
最後に唐突に、ア二メが出てきて、その後、ア二メと同じようになる。意味がわからない。
地方の偏見、閉塞感は伝わってくるけれど、
時間を終始、交差させては、映画に入っていけないため、見終わった後の感動、充実感、なんて
全くなかった。
女の復讐
タイトルになっている安曇春子が行方不明になった件よりも、「女子高生ギャング団」による連続暴行事件が社会的にも、この映画的にも重要な出来事のような気がした。
アラサーの地方企業OL、二十歳のキャバ嬢。どちらも男性中心の社会経済では奉仕することを強制され、搾取される側である。
彼女たちよりも若い世代の女子高生たちは、何をきっかけに男どもに復讐を始めたのだろうか。まだ親の保護下にあり、そうした社会の食物連鎖の中に放り込まれてはいないはずなのに。
それとも、そんな高校生観は時代錯誤も甚だしく、彼女たちもすでに学校社会において男たちに搾取される存在なのだろうか。
映画のすすむ間、その疑問から解放されることはなかった。
時系列をあえて複雑にしているからには、最も若い世代が、虐げられている女性の代表として、男社会への復讐をする動機をはっきりさせるべきではないだろうか。
これでは、女性というものはかくも情動的で、所詮男なしでは生きてはいけない存在であると言っているようなものである。
癖のある物ほど愛しく愛してしまう
本が大好きなんです。
蒼井優さんも大好きなんで観に行きました。
シネリーブル神戸にて観賞。
映像と音は好きな感じ
最近の流行りなのか時系列の変化が多すぎて
集中力が落ちてしまった気がする。
全体的には好きですが
作品の中にドップリ浸かれなかっのは
私がこのタイトルの本を好き過ぎからなのかもしれない。蒼井優さんの声が聞けただけで満足感。
伝えたいことは、、、?
松井大悟監督の作品で
「アフロ田中」や「スイートプールサイド」がすきなので鑑賞してみたが
時間軸が少し複雑で最初はむずかしかった。
少女ギャング団の存在がイマイチ伝えたいことがわからなかった。
ハルコとアイナはいい感じの距離感で関わって最後に交わるのはよかった。
最後までアズミハルコが行方不明になった理由がよくわからなかった。
教えていただけると助かります!
男尊女卑への強烈なアンチテーゼ。賛否必至の難解ストーリー。
【賛否両論チェック】
賛:世の中に根強く残る女性蔑視の風潮や、それに対して過激な対抗手段をとる者達など、様々な角度から女性の生きざまを描き出す様子が秀逸。
否:お話としては意味深な部分が多すぎて、理解に苦しむ。逆に男性を虐げすぎている印象も拭えず、観る人によってはヘドが出るかも。
どちらかといえば群像劇に近い印象です。平気で女性蔑視の言動を繰り返す職場の上司達に嫌気が差しながらも、代わり映えのない毎日を生きていた春子。“面倒くさい女”と言われながらも、恋愛依存を断ち切れない愛菜。そして、社会において虐げられてきた女性達の鬱憤を晴らすかのように、理由なき暴力を繰り返す少女達。そのそれぞれの葛藤や怒りが折り重なって、1つの物語が作り上げられている気がします。
ただ逆に言うと、それだけ混沌とした世界観ゆえに、ストーリーとしてはよく分からない部分も多く、純粋な物語としては観にくいのもまた事実。男尊女卑へのアンチテーゼが行きすぎて、今度は“男性を貶めすぎ”という批判もありそうです。
良くも悪くも、ジェンダーについて思わず考えてしまうような、そんな作品かも知れません。
元気になったよ
私は名古屋出身で、
転職しながら東京に出ました。
名古屋も地方です。
地方都市に生まれて、暮らして。
想像できる未来と
受け入れれぱ得られる安定。
10代で必死にもがいて
20代で爆発脱出
30代で一旦落ち着いたけれど
40代でまた迷い
50代で転職しこれでいいのかと
また悩む
心は過去未来を行き来し、
自分をどこかで励ましたい。
この映画のワープする時間軸は、
それを意識させてくれた。
ラストの女性たちの笑顔と
チャットモンチーの音楽が
「大丈夫だよ」と言ってくれた。
厳しすぎる現実や
あり得ないファンタジーを
見せてくれるのが映画なら、
『アズミ・ハルコは行方不明』
は、その両方を見せてくれる
稀有な映画です。
75点
ワンダフル、ハァハァの時と同じく女の焦れったい感情が主。
消えて生きる=「半透明」な彼女達がとても愛しく感じた。偽悪的に描かれる男達はいつもの如く最終的に空気。
「百円の恋」同じく、女性が本当に愛しいなと想える作品。
観終えた後の、息苦しさ。
ヤベエを連発する頭の悪さに、眉をひそめるしかない。高畑のその演技が無理をしているように思えるだけに、痛々しい。
いやむしろ、痛々しい、地方在住の若者を描いているのだから、それでいいのか。
成熟した世の中の便利さと背中合わせにある、閉塞感と抜け出せない貧困と、そのほかのモヤモヤ。
以前、談志が「爛熟は退廃を知った上で楽しむもの」と言っていた。快楽を楽しんでいる彼らの表情からは、この先に感じている退廃、デカダンスが確かに伝わってきた。・・が、あまり好きになれない映画だった。
映像をつなぎとめるリアルさがもっと欲しい
レビューで多くの人か書いている時間の流れの見せ方の問題。
心配するほどではなかったが、有無を言わせないリアルさが欲しいと感じた。
登場人物の内面のリアルさが足らないから、時間軸を交錯させた見せ方についていけないのだ。
少なくとも私は感覚的に観終えるという映画ではなかった。
地方ってこうなんだろうね。
高畑さんの対人距離の近さと気持ちの近さの比例感がよかった。
地方の中小企業、同級生、年齢が上がっていくにつれての恋愛観など、あるあるのオンパレード。救いがないけど、まあそういうもんなんだろうね。
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