劇場公開日 2016年12月3日

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「消えて生きる」アズミ・ハルコは行方不明 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5消えて生きる

2021年8月13日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

安曇春子が失踪した。
程なくして、彼女の捜索願ポスターを模したグラフィティアートが拡散され、街では男だけを狙う女子高生集団が社会問題となっていた。
彼女の存在、彼女の失踪を通して、全く関連性のない世界線が少しずつ交差していく。

難しい。決して気持ちの良い映画ではなかった。
女は存在を認められ、男は存在を否定されたような。
ものすごいメッセージ性を感じるけれど、難解すぎて私には全ては汲み取れず。
まず、時間軸がバラバラ。
冒頭では物語中盤の様子が描かれ、そこから過去に戻り、3歩進んで2歩下がるを繰り返す。
失踪するものの、画面から春子が長時間消えることはない。
それゆえ、いつどのように失踪し、真実はどうだったのかもイマイチよく分からなかった。
もう一度見たいとか大好きだとかは思わないけど、嫌いでもない。出来も悪くなく、飽きることはなかった。
そして、2つのものの対象性と共通性が対比されているのが印象的だった。
激しいセックスと静かなセックスの緩急だったり、若者のフラストレーションの捌け口的な親父狩り(?)や落書きだったり。
全く関係ない対象的な人とも我々は生活圏を共有している。
横をすれ違った誰かは自分にとって重要な人物かもしれない。
全てが一期一会ではないかもしれない。
世間の根拠なき憶測に晒されながら、主人公的存在の消失の真実を求める姿は、先日鑑賞した『チワワちゃん』と通ずるところがあった。

全体的に良かったキャストの中でも、特に高畑充希が良かった。
キャラが濃いため、あんまり普通の役をやると浮くイメージがあり、カホコとかサクラとかサチコとかはめちゃくちゃハマり役だと思うんだけど、正直ウザくて面倒臭くて見てられないこともある(そこが上手くて良いのだが)。
でも今回はハマり役な上、強いウザさもない。
個人的には1番好きな高畑充希だった。
あと、徳永ゆうきがいい味出しすぎてて、彼だけのスピンオフ観たいレベル。

松居監督の作品ってやけに人間臭い男のキモさが良くも悪くも上手い。
それが嫌な人は嫌だろうけど。
そんな松居監督が描くフェミニズム。
春子の男上司2人が格段にキモかったw

唐揚げ