「年齢にこだわってるところは好きじゃない。」アズミ・ハルコは行方不明 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
年齢にこだわってるところは好きじゃない。
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春子パートに出てくる女性蔑視の小さな会社。子供を産まないとダメだといった偏見や田舎の小企業のやらしい構図。37歳の吉澤さん(山田真歩)に対するセクハラ・嫌がらせが酷い。そんな閉塞感漂う世の中から抜け出したかった春子。子どもの頃から結婚したら親と一緒の墓に入れないという疑問も持っていた。失踪の原因、決定打は曽我の浮気だったんだろうけど・・・
愛菜パートは、やらせてくれるという、ある意味痛い女性を演ずる高畑充希。でも純粋。好きになった男(太賀)が悪かったね。
二つの時系列がいつ交錯するんだろうと思って見てたけど、女子高生ギャング団が意外と被っていて、鬱憤のはけ口の象徴だったのだろう。考え方によっては現実的ではなく、虐げられてる女性たちの憧れの存在だったのかも。映画館で復讐アニメを見て歓喜する様子は面白かった。
結局のところ、失踪した春子も愛菜の憧れの象徴だったのかもしれない。逃げ出したくても逃げ出せない。グラフィティによる絵はゲバラTシャツと似てるし、逃げ出せたというヒロイン、地方都市の女性たちのアイコン。ダメな男たちに暴力で立ち向かうんじゃなく、逃げ出す勇気をも与えてくれたのかも。ただ、ラストの邂逅の意味するところは、出会えた喜びなのか、普通のお母さんになっていたことのショックなのかよくわからないのが残念。
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