「ギャングの有り様に疑問」アズミ・ハルコは行方不明 ニックルさんの映画レビュー(感想・評価)
ギャングの有り様に疑問
女子高生ギャングが男に復讐する...ということは、この田舎の退廃の一端が男性社会であると学際のうちに理解してある。それなりの知性を持った人たちであるはずなのだが、そうも見えない。また、バッドで殴るとか蹴り倒すという行為につきまとうはずの相手の痛みへの共感もない。共感故の暴力の愉しさがまったく表現されていない。つまり、ありもしないものを空虚な想像力ででっちあげたと言うこと。この作り手は人を殴ったことあるんだろうか。
ステンシルアートの何がそんなに凄いのかも分からない。彼らが興奮するたびこちらの熱は冷めていく。『サウダージ』を取材なしで作ろうとしたらこうなりましたという感じ。唯一良かったのはアズミハルコの話だけ。その話にしても良いんだけど女性観が古いなぁと。
『サウダージ』との比較でいうなら、役者全員、芝居が役者の芝居になってしまっており、地方都市の片隅に生きるという世界観から乖離してしまっている。書き割りの中に立たせただけに見える。
コメントする