「女の復讐」アズミ・ハルコは行方不明 よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
女の復讐
タイトルになっている安曇春子が行方不明になった件よりも、「女子高生ギャング団」による連続暴行事件が社会的にも、この映画的にも重要な出来事のような気がした。
アラサーの地方企業OL、二十歳のキャバ嬢。どちらも男性中心の社会経済では奉仕することを強制され、搾取される側である。
彼女たちよりも若い世代の女子高生たちは、何をきっかけに男どもに復讐を始めたのだろうか。まだ親の保護下にあり、そうした社会の食物連鎖の中に放り込まれてはいないはずなのに。
それとも、そんな高校生観は時代錯誤も甚だしく、彼女たちもすでに学校社会において男たちに搾取される存在なのだろうか。
映画のすすむ間、その疑問から解放されることはなかった。
時系列をあえて複雑にしているからには、最も若い世代が、虐げられている女性の代表として、男社会への復讐をする動機をはっきりさせるべきではないだろうか。
これでは、女性というものはかくも情動的で、所詮男なしでは生きてはいけない存在であると言っているようなものである。
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