劇場公開日 2016年6月18日

「オウムが起こした事件の異常性を改めて─」A2 完全版 SHさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5オウムが起こした事件の異常性を改めて─

2019年2月6日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

オウムが起こした事件が、いかに世の中を狂わせているのか、ひしひしと伝わってくる。オウムの信者が移動する先々で巻き起こる住民反対運動や監視活動はその最たるもので、作品を見る限りにおいては、住民側の異常性が際だっている。それも致し方ないわけで、あの殺戮を引き起こした集団への不安はぬぐい去ることはできない。しかし、集団としてではなく人として接すると、わだかまりが解消されてくるから不思議。地域に溶け込めないから否定されるし、拒絶される。溶け込んでいる数少ない例を見ると、オウム出ていけ!が形骸化されていることに気がつかされる。人として彼らを何とかしようとしている人は少なからず存在するけれど、等の集団はそれを受け入れるような気配を感じ取れない。人と人が仲良くなれても、オウムというものが受け入れられる余地はないように思う。それはどっちも理解しようとしないから・・・
信者と新聞記者になった信者の級友が友達として取材しているシーンが非常に印象的。いまだに友として親しみを持っているけれど、どうしてもお互いを理解できない。なかなか泣かされるシーンだが。だからこそオウムが起こした異常事態を改めて痛感させられる。

SH