「日本人には普通過ぎて気づいてない程の事」リザとキツネと恋する死者たち asicaさんの映画レビュー(感想・評価)
日本人には普通過ぎて気づいてない程の事
監督が来日して日本について思った事を含めて描いてるのだなあと思ったが 当の日本人が気付かないほどの日本人の慣習が含まれている。
まず
元日本大使の妻がベッドでスープをすする。
スプーンからスープを飲む時 日本人以外でズルっと音を立てると言うのはない。
私たち日本人は 熱いお茶をふうふう言わせながら表面のいくぶん冷めたであろう部分をずるっと飲む。
亡き夫はスプーンですくったカレーさえもズルっと飲むように食べていたのを 頼むからカレーを飲まないで食べてと言ったが生涯無理だった。
あれはヨーロッパやアメリカでは相当あり得ないマナーならしい。
パスタを啜るのがマナー違反と言われて久しいが麺類をすすらないのは日本人特に若くない我々には難易度が高い。
ラーメンや蕎麦は今では もはや ズルズルっと言わせるのが美味しい食べ方であると周知されつつあるが、
スプーンにすくったスープをズルっとやるのはいただけないと言うのは理解出来る。
そして
料理が甘い事。
日本の料理はお砂糖をよく使う。
欧米の料理でデザート以外にお砂糖を入れるのはかなり稀だ。
チーズや生クリーム バター そして香辛料で味を整える。
とは言え 昨今の冷凍食品を見ると含まれる場合もあるが。
(イギリスのスーパーには大量の出来上がり食材があって温めるだけで食べられるものが山のようにあった。彼らはあまり料理をしないのだそうだ)
特に豆が甘いのが苦手らしく、あんこが好きじゃないという欧米人は多い。
というわけで監督は 日本っぽさを求めて(たぶん) “魚をジャムで煮て”とか やってるのだ。
なんだけれども
日本人役者は出て来なくて、発音からすると韓国系か中国系。
そして
ハンガリーは元は東側諸国に含まれていたよなあと実感する建物内部(特に廊下や階段)を見るにつけても
共産思想の危うさを思う。
話の内容というのは 特に言うべきものは差程なく
まあ もともと 日本の作品においてのコメディもこう言うドタバタを面白いとは思えないタチなので、この映画における外国人監督の目線などを興味を持って見た次第。