劇場公開日 2018年6月30日

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「彼らの出会いは正しいのか間違いなのか」正しい日 間違えた日 とえさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0彼らの出会いは正しいのか間違いなのか

2018年7月8日
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鑑賞方法:映画館

人と会話をする時のタイミング1つで、一日が良い日にもなるし、悪い日もなる。
そんなお話

映画上映と、トークショーのために水原(スウォン)を訪れた映画監督のハム・チュンス(チョン・ジェヨン)は、予定よりも一日早く到着してしまい、水原観光をしている時に、画家のビジョン(キム・ミニ)と運命的な出会いをする

これは、妻子ある男性が、若くて美しい女性と運命的な出会いをしたら、どう振る舞えばいいのか
という話であり、この映画の公開直後から、ホン・サンス監督とキム・ミニは不倫関係にあるのではと噂されるようになる

つまり、これはホン・サンスがキム・ミニと出会った時のどうにもならない思いを映画化した作品である

当時のキム・ミニは、テレビを中心に活躍する女優で、時には、このヒジョンのようにグラビアの仕事などもしていた。

そんな、キム・ミニにとって、ホン・サンスのような国際映画祭常連でアート系監督の作品に出られるようになるなんて、夢のような話だったはず

また、その一方でホン・サンスは、キム・ミニのかわいさに一目惚れしたんだろうということが、このチュンスを観ているとよくわかる

チュンスは妻子ある身であり、自分でも気をつけないといけないと思いつつ、彼女への思いを本人の前で吐露してしまう

そこで大事なのが「私は妻子持ちである」という事実を話すタイミングである

それを間違えれば、相手に拒否されて口をきいてもらえなくなるし
うまくいけば、二人の関係はさらに一歩先に進むことになる

そこで面白いのは、この映画のタイトル「正しい日 間違えた日」である

ホン・サンス監督にとって
チュンスとヒジョンが出会い、良い間柄になることは、正しいことなのか、それとも間違いなのか

この映画を観ていると、そこの倫理観がおかしくなるなだけど、
どう考えても、そうやってキム・ミニを絶賛しつつ自分の不倫を正当化しているのでは…と思えてしまう

こんなに美しい人に出会えたら、良い関係になりたいと思うのは、間違いではないだろうという…

少なくとも、キム・ミニが目をキラキラと輝かせながら
「私は、本当に監督と出会えて良かったです」
と言ったのは、本心だと思った

ホン・サンス監督とキム・ミニのコンビ作品を観たのは、これで3作目だけど
彼らの出会いから修羅場までを観られて、私は楽しんでいる

それにしても、あまりにも赤裸々過ぎて、毎回、笑ってしまう
そこが、ホン・サンスのあざとさというか、潔さというか、映画作家らしさなんだろうなぁ

とえ