「2時間14分ノーカットの意欲作」ヴィクトリア(2015) mimiccuさんの映画レビュー(感想・評価)
2時間14分ノーカットの意欲作
AM4:30~AM6:45の真夜中から夜明けにかけてクラブ→アパートの屋上→カフェ→地下駐→銀行→アパート→ホテル→路上とベルリンの街を駆け回る。
ドイツのベルリンに来て3ヶ月のカフェ店員のヴィクトリアに接触するスキンヘッドのボクサー、ヒゲ面のブリンカー、童顔で誕生日のフース、おしゃべりなリーダー格ゾンネのからみたくない地元四人組。
銀行強盗をさせられるはめになって元凶であるボクサーに注がれる「どうすんだよこれ‥」の視線の空気感がリアル。
強い吊り橋効果によって解放されたヴィクトリアとゾンネは激しいキスをし、ボクサーとブリンカーは全裸で躍り狂う。
事件に巻き込まれる系かと思いきや、軽い気持ちで加担した犯罪がどんどん悪い方向に転がり、ついには加害者としての一線を越える胸糞展開になったのは意外な驚き。
どんどんクズ野郎になっていくのにBGMは叙情的で青春の一ページ感を演出してるので余計に腹が立ってくる。
ついには一般人夫婦を脅し赤ん坊をさらっておきながらもなお「私たちは悪人じゃないの」と言うヴィクトリアの加害者意識のなさにゾッとした。
ラストはすっかり明るくなったベルリンの道路に、ゾンネを失いひとりきりになったヴィクトリアが金だけ持ってホテルから出てきてエンド(あぁ、最悪の朝だ)
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