「面白い話も長いし拘りが弱い」ヴィクトリア(2015) SHさんの映画レビュー(感想・評価)
面白い話も長いし拘りが弱い
長回しによる緊張感は非常に伝わってくる。2時間半によくもまぁこれだけの出来事を詰め込めるものだと感心するが、盛りだくさん故の強引さも大いに感じるわけで、その辺は表裏一体と言ったところか。
カットが無い割にダラダラした印象はないし、飽きることがなかった。それは、無数にカットされた映画等しく視覚的な面白さがあったわけで、動き続けてなお破綻しない絵作りを追究した結果が見事なドラマを生んでいる。
まるで長回しには思えないというのが、過去になかったものだろう。いかに長回しの効果を有効活用するかというよりも、いかに長回しを感じさせないかということを意識していたようにも思う。
ただ、そう思うと、果たして長回しの意味はそれほど重要だったのか疑問に思えてくる。実際、合間合間の無駄も気になったし、カットしてコンパクトにまとめた方が物語としては楽しめるのでは、と思ってしまった。
まぁ映画的な試みとしては無駄ではないんだろうけど、見ている方にしてみれば、長すぎる印象を持ってしまった。
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