劇場公開日 2018年10月20日

「3時間の集中力を」ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ SHさんの映画レビュー(感想・評価)

3.03時間の集中力を

2018年10月23日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

豊さを求めて様々な人種、世代、趣味嗜好の人々が集まるNYジャクソンハイツという街を、宗教的に、性的嗜好、食や労働、教育やコミュニティー等々、あらゆる観点から捉えたソーシャルドキュメンタリー。と説明したところで全く理解されないだろうが、とにかく複雑で辛くとてつもない集中力が必要な作品です。ワイズマンの映画なので覚悟が必要です。
とかくこの作品においては、集会や集まりを捉えたシーンが多く、ひとりが長々と主張するところが多くて、正直疲れる。まぁそのおかげで、説明が一切ないよく分からないジャクソンハイツの概要は非常に良くつかめるのだが…ぶっちゃけ何人かの主張で落ちました。
シーンのつなぎが見事なくらいに対立軸を持った事柄の連なりで、かなり意図的なものを感じたけれど、それも一種の多様性を表現したものに過ぎないのかなと思った。
基本捉えたものを長く流すというスタンスの作風であるため、それぞれの主張やパフォーマンスにハマらなければ非常に退屈極まりない作品かもしれない。
自分もかなり耐えに耐えた。その甲斐あって、後半言わんとしている主張を少しだけ理解できたような気がする。
豊かで平和を求めることには、多様性というものを超越したものがあるのだと納得させられるところがあったけれど、それが映画的の善し悪しにどれほど影響しているのかは、全く分かり得ない。

SH