劇場公開日 2016年12月17日

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「戦争が終わっても残るもの」ヒトラーの忘れもの フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

戦争が終わっても残るもの

2017年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

そこらのホラー映画より緊張と恐怖が満載の作品

冒頭の訓練から言いようのない緊張が伝わってくる。
少年兵達の手の震え、息遣い、ピリピリした空気、地雷撤去の方法は単純だなのだがそれ故に些細な振動で爆発してしまう現実。

ハートロッカーの様に爆弾処理を行うのが主人公だけならばある程度の緊張は有れど最後までは死なないだろうと予想もできるが、本作は少年兵達なので誰がいつ爆発するかわからない。
鑑賞中は自分も死と隣り合わせに居るような感覚だった。

少年兵と軍曹の関係がとてもよかった。
大人と子供、戦争の理不尽な状況で憎み合い、信頼し合い、許し合う姿は切なく感動的で心にずっしり来た。

鑑賞後は緊張と悲しみとやるせなさでグッタリしてしまったが、見てよかったと思える作品でした。
デンマーク側で制作した事も素晴らしいと思う。自分達の行いは道理ではあるが、非道でもあるわけで決して語りたい歴史ではないはずなのに勇気を持って世界に発表した事は最大の反戦活動になったのではないだろうか。

劇中セリフより

「お前たちが埋めた物だ、お前たちが撤去しろ」

言ってる事は正論だが組織の責任を末端が負うなんて。
大本もとを辿って責任を負わせたいがそんなの居ないわけで、結局戦争自体が間違いだと気付く。

責任を押し付けるような生き方はしないようにしようと思った。

フリント