「信祝と柳生一族の陰謀」超高速!参勤交代 リターンズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
信祝と柳生一族の陰謀
田舎小藩のあの手この手を策した参勤交代を描いてスマッシュヒットした時代劇コメディの続編。
前作はユニークなアイデア、軽快な内容、珍しいオリジナル脚本による時代劇映画という点、さらに我が福島が舞台という事もあって、とても楽しめた。
今回も面白かったのは面白かったが、やはりこういうのは一発アイデアだからこそ、とつい思ってしまった。
前作は“行き”だったので、今回は“帰り”。直結の後日譚になってるのはいい。
江戸に参勤して一ヶ月、湯長谷で一揆の報せが。お目付けが来るまでの二日の間に帰らねば藩はお取り潰しに!
行きの五日から二日になったさらにハードな帰り道!
またまた知恵を凝らした参勤交代…はほんの最初だけ。
急いで戻ったが、藩はすでに乗っ取られた後だった。そこには、宿敵の老中の大陰謀が…!
危機また危機。
意外と本格的なアクションはボリューム増し。
藩と民を取り戻せるか!?
同じアイデアでまた2時間も引っ張れば単なる焼き直しになってしまうので、中盤から大きく趣向を変えたのは分からんでもないが、すっかり参勤交代ではなくなり、せっかくの面白題材がおざなりに。
だから一発アイデアだけであって欲しかったのだ。
とは言え今回がそこまで期待外れに思わなかったのは、変わらぬ安定感があるから。
“殿”佐々木蔵之介以下キャスト全員の続投。
特に陣内孝則は憎々しさ倍増。(深田恭子はちょっと上品になっちゃって魅力半減…)
田舎侍の悲哀からの奮闘は見ていて痛快だし、何より、常に仲間や民を想う政醇の姿は昔も今もこれぞ有るべき主。
ヒットして人気もある作品なのでまた続編が作られてもおかしくはないが…
行って無事帰って来たので、さすがにそれはないか。
よほどの秀逸アイデアでもない限り。