劇場公開日 2016年9月10日

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超高速!参勤交代 リターンズ : インタビュー

2016年9月9日更新

佐々木蔵之介&深田恭子「超高速!参勤交代」続編は“いわきへの恩返し”

無理難題をなんとかクリアした内藤政醇率いる磐城国・湯長谷藩一行に、またも危機が訪れる。しかも今度は湯長谷で一揆が起こり、2日間で帰還しなければ藩は即お取り潰し、というから一大事だ。前作よりもスケールアップした「超高速!参勤交代 リターンズ」(9月10日公開)への思いを、主演・佐々木蔵之介とヒロイン・深田恭子に聞いた。(取材・文/編集部、写真/江藤海彦)

弱小貧乏藩が、通常なら8日要する参勤交代をわずか4日の超高速で完遂するという異色の物語と、その根底に流れる“本格時代劇の魂”が好評を博した前作「超高速!参勤交代」。興行収入約15億円のヒットを記録し、第57回ブルーリボン賞の作品賞に輝くなど評価は高かったが、殿・政醇役の佐々木は続編決定の報に「またやるの?」と耳を疑ったという。そのうえ倍以上の労力が必要となっただけに、さすがに「満載すぎる。詰め込んだな。これでもか。エピソード多すぎ、殺陣も多すぎ、走る距離も多すぎ」と苦笑いを禁じ得ない。

それでも、佐々木は「それでよかったかなと思います。パワーアップしていましたよね」と語りかけ、「やり切ったというのが僕の感想です。充実感でいっぱい。もう走らん!」と晴れやかな表情。続けて、元遊女だが政醇を支える側室となったお咲役・深田が「前作を上回るようなコメディ要素もさらに加わり、出演者の方々も毎日会うたびに驚く方ばかり」と振り返れば、佐々木も「古田新太先輩が大岡越前なんてキャスティング、この映画でしかオファーしないでしょう。よくやったなあ!」とガッツポーズを見せた。

今作では、かつて政醇に打ち負かされた老中・松平信祝(陣内孝則)が復活し、謀略をめぐらせ湯長谷藩を占拠。江戸からの帰途にあった政醇たち一行は、一揆発生の知らせを受けるや、故郷へ向け不眠不休で走り出す。道中で繰り広げられる奇策の数々も切れ味を増しており、なかでも佐々木の“コスプレ”が笑いを誘う。

佐々木は「メイクも濃すぎ。おかしいでしょ。陣内さんや先輩方がそこまで振り切るなら、僕も先輩に倣えと」とぼやきながらも、嬉しそうに「政醇が死人に扮するシーン」を振り返る。「その撮影時に1度雨が降り、出直したんです。でも2回目に行くと、死人メイクが物足りなくなってしまった。もうちょっと塗ってみよう、洋画のゾンビは緑だったり青だったりするなあ、顔カビさせてみよう、舌にコケ生やしてみようとか、メイクさんと相談して。それと白目を向いて舌を出すという芝居は、どうしても自分のなかで外せないプランだったので、やり切りました。役人役の共演者が台本に書いてある通りのセリフで『確かに、死んでおる』と言うから、笑いそうになってしまいました(笑)」。

さらに政醇とお咲の関係性も、前作よりも強固なものになった。民の幸福を何よりも願う政醇は、藩の惨状を知り打ちのめされる。お咲は弱音を吐く夫に寄り添い、手をとり励ます。佐々木は「弱っている時に『大丈夫だから』と励ましてくれるのは、本当に心強い。もともと殿は、お咲の芯の強い部分に憧れ、求めていたからこそ側室になってほしいと思ったんでしょう。女性の強さによって、男はさらに前に進めるんです」と明かし、「理想の夫婦像です。しかも深田恭子、なにせ深田恭子ですよ!」と溜め息混じりに繰り返した。深田の美ぼうに、頭から爪先まで骨抜きの様子だ。

一方の深田も、「どちらかが弱っている、そういった時に支え合える関係性は理想だと思います」と同調する。お気に入りのセリフは、「前作で殿がお咲に言った『血、出てっぞ?』」。しみじみと目を細め、「お咲がケガをしている時に、殿が傷の手当をしてくれたんです。心の手当もしてくれたことで、2人の関係性が出来上がったのでしょうね。殿が“色のない世界”から救ってくれたからこそ、今回のお咲は『少しでも支えになれたら』と寄り添った。ああいう夫婦は、なかなかいないですよね」と言葉に力を込めた。

政醇たちは絶望的な状況にも諦めることなく立ち向かうが、佐々木と深田は、直面した困難にはどのように挑むのだろうか。佐々木は「笑いに昇華する」と述べ、深田は「自分を信じる」と話す。「ぶち当たった時に、負けるにしてもどう負けるか。やれることはやり、ちゃんと負けないといけない。課題を与えられたのは、達成できる“脈”があるからだと考えなければいけないんです。そしてやっている最中につらかったら、『笑えるわ、このしんどさ』という風に、笑いに転化するんです」(佐々木)、「オファーしてくださった方や、期待して待ってくださっている方がいる。信じてくれるからこそ、自分を信じて向き合う。それが一番の励みになります」(深田)

そして、前回は頓挫した福島・いわき市でのロケも実現。かつて湯長谷藩があった土地での交流が、2人の胸に強く残っている。佐々木が「非常に大きかったのが、クランクインして間もないころ、いわき市で150人ほどのエキストラさん、市長らと『じゃんがら念仏踊り』を踊ったこと。ラストシーンの鎮魂の踊りですね。僕と深田さんを、皆さんは殿と姫として『おかえり』と迎えてくださった。すごく後押しになりましたし、僕らを支える励みになりました。そこで『この映画で恩返ししなければいけない』と思いましたね」と追想すると、深田も大きく頷いた。

佐々木「前作は小浜市の海岸(を走るシーン)のロケハンには行きましたが、撮影できないとなった。今回、そこで走ることが出来たのは、リターンズがあったからこそ。全国の映画館の『超高速!参勤交代』動員数で、ポレポレいわきが第3位だったそうです。そこまで応援してくださった。東北の皆さんに『リターンズ』させてもらったんだというのは、非常に大きいです」

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