チリの闘い 武器なき民の抵抗のレビュー・感想・評価
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チリの理想郷とも言える社会主義政権の終焉
チリのパトリシオ・グスマン監督が、70年代前半のチリにおける政治的緊張と社会主義政権の終焉を記録した奇跡のドキュメンタリー。
観る我々はとんでもない史実を目の当たりにすることになる。
1970年に世界で初めて選挙で選ばれたサルバドール・アジェンデの社会主義政権。アジェンデ大統領は人民連合を率いて農地改革や鉱山の国有化などを行い労働者や貧困層の圧倒的な支持を得た。
今作はアジェンデ政権が1973年9月11日の軍事クーデターに倒れるまでの最後の数ヶ月をとらえた。
左派の選挙での勝利、国会での攻防、右派のストライキや妨害工作による民衆の困窮。窮地に陥ったアジェンデを守ったのは民衆だった。武器を持たない彼らの意識の高さが力になった。
アジェンデ政権は安泰かと思われたが。
東西冷戦下にあり社会主義を良しとしないアメリカ政府の支援を受けた軍部のクーデターがすべてを壊した。空爆により崩落する大統領府、アジェンデ大統領の自殺、軍事独裁政権の誕生。
高揚する民衆の姿を感動的に記録したグスマン監督にとって、このような悲劇で終焉を迎えるとは思ってもいなかっただろう。
チリがCIAや外部に邪魔された歴史
アジェンデ政権最後の日々
第2部 クーデター
右派の妨害、内部の考えの違いがあってもまず対話、法に則った対処をしていた政権だが、CIAと軍の一部がクーデターを起こす。
戦闘機が大統領府を空爆している。そして大統領は死亡…。 呆然とした。
軍隊って何なんだ!
第1部 ブルジョワジーの叛乱
中間層、学生、特権的労働者、運送会社、商店を使った様々な妨害がある。 貧しい人達がまず大きな恩恵を得た政治だったが、分断の深さを思う。 アメリカが、国務省、CIAを使い、経営者の教育、軍人の教育で反政権派を作っていたようだ。
「アジェンデ、アジェンデ、民衆があなたを守る!」のコールにグッと来る。 選挙やサボタージュ、煽動に屈しない政府だったから、クーデター!! 自国の利益のために手段を選ばないアメリカと、選挙で選ばれた大統領のいる大統領府を空から空爆する軍隊… 何のための選挙? 誰のための政府?
第3部 右派のテロ、ストライキ
政府を守るために働く労働者、地域組織を作り生産、流通を守る。 大統領は社会主義者、政府を支える人民戦線の得票率45%くらい、過半数ではなく議会では少数与党、軍や経営者団体、農民団体には強固な右派もいる、経済は資本主義、大きな矛盾を抱えている。
働く、生産を止めない、そして国と政権を守ると、誇り高い労働者たちの姿にグッときた。
やっと3本観れた!
選挙で政権が替わっても、アメリカが介入して最後には武力まで使って、クーデターで政権転覆させる。 けれど、民主主義は鍛えられてこの国の深いところに残っている。
まず第三部を。
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